第三話 シャングリラ
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第三話 シャングリラ
地上で小競り合いが続いている頃、宇宙でもそれは例外ではなかった。
月にはギガノスがおりゼダンの門にはティターンズ、そしてアクシズにはネオ=ジオンが存在していた。そしてそれぞれ強力な指導者を得ていた。
まずギガノスにはギルトール元帥がいた。能力とカリスマ、そして理想を備えた彼に心酔する者は多く、月を完全に掌握していた。
ゼダンにいるティターンズにはジャミトフ=ハイマンがいた。戦いに敗れ宇宙に退いたとはいえ彼にはまだかなりの戦力が存在していた。かおかつジオン共和国やジュピトリアン達とも結び付きを強めその勢力を大幅に回復させていた。最早彼等は宇宙の一大勢力となっていた。
そしてネオ=ジオンである。先の戦いでギレン=ザビ及びドズル=ザビを失いキシリア=ザビも終戦直後の不慮の事故で失った彼等だがその勢力は衰えることがなかった。それどころか盟主となったドズルの遺児ミネバ=ザビの摂政に就任したハマーン=カーンと奇跡的に生き残っていたエギーユ=デラーズの手によりその勢力を維持し、アクシズに独自の勢力を保っていた。彼等はジオンの残党を吸収し、やはり独立勢力と化していた。そして地球圏及び火星にいる連邦軍、とりわけロンド=ベル隊と激しい対立関係にあった。
それは各コロニーにおいても同じであった。各サイドでもティターンズと友好関係にあるサイド3をはじめとしてそれぞれの勢力と結び付こうとしていた。それはモザイク状に絡み合い各勢力の小競り合いを促す結果となっていた。それはかってジュドー達がおり、そして今も住んでいるシャングリラにおいても同じであった。
「敵機はいるか」
ロンド=ベルの旗艦ラー=カイラムの艦橋に座る男の声がした。この艦の艦長ブライト=ノアである。黒い髪を後ろに撫で付けた理知的な顔立ちの男である。連邦軍の制服がよく似合っている。
一年戦争以来の名艦長と言われている。冷静沈着かつ的確な戦況判断で名がある。エースパイロットであり一年戦争からの戦友でもあるアムロ=レイと並んでロンド=ベルの重鎮とされている。今もこの艦を指揮し最前線に立っていた。
「はい、今のところ反応はありません」
レーダーを見る金髪の男が答えた。トーレスである。
「そうか。だが油断するな」
「わかってますよ」
トーレスはブライトに答えた。
「敵は何時何処から出て来るかわかりませんからね」
「そういうことだ」
ブライトはそれを受けてこう言った。
「ティターンズやアクシズだけではないからな」
「ギガノスですか」
「そうだ。彼等はまた彼等でかなりの勢力を有している。油断は禁物だ」
「ロンド=ベルの勢力だけじゃ心配ですね」
「そうだな。連邦軍は今地球だけで手が一杯だ。とても宇宙にまでは手が回
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