第三話 シャングリラ
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もうそれだけしか出来なかった。
「けれど」
それでも顔は不安気なままであった。
「大丈夫かなあ。ホントに」
それが本音であった。やはり兄達が心配でならないリィナであった。
ジュドー達はワゴンを飛ばして港に到着した。そしてティターンズの船を捜した。
「あれか」
それはすぐに見つかった。アレクサンドリア級巡洋艦であった。
「ドゴス=ギアじゃないんだ」
イーノはアレクサンドリアを物陰に隠れながら見て呟いた。
「流石にあれは目立つからな」
ジュドーその隣にいた。彼もアレクサンドリアを見上げていた。
「それに入れないだろ、あんなでかい船は」
「それもそうだね」
イーノはそれを聞いて納得した。
「けれどあれに入っているモビルスーツって何なのかなあ」
今度はモンドが首を傾げていた。
「凄いのだったらいいけれど」
「案外バーザムとかだったりしてな」
ビーチャが言った。
「ハンブラビとかだったらいいけれど」
エルが合わせた。
「それだったら一緒にいるパイロットが問題よ」
ルーが何かを思い出して露骨に嫌な顔をした。
「どうせ生きてるんでしょうけれど」
「だろうな」
ジュドーがルーの言葉に同意した。
「あのおっさんはそう簡単に死ぬタマじゃねえよ」
「ティターンズだからな」
プルツーがここでこう応えた。
「あのリーゼントの人もそうだしね」
プルがここでジェリドについて言及した。
「あの兄ちゃんもなあ」
ジュドーも彼については知っていた。
「よくもまああれだけカミーユさんばかり追いかけられるよ、本当に」
「それが生きがいなんでしょね」
そうした話をしながら隙を窺う。見たところティターンズの将兵の警護は緩かった。
「行くか」
ジュドーがそう皆に問うた時であった。不意に艦の後ろで何やら爆発が起こった。
「ンッ!?」
そちらに顔を向けた。これはティターンズの者達も同じであった。
「おい、あっちだ」
彼等はすぐにそちらに向かう。出入り口はガラ空きとなった。
「ジュドー」
エルが囁いた。
「今だよ」
「おっ、そうだな」
ジュドーだけでなく他の者も気付いた。伊達にこの商売をやっているわけではなかった。
「行くぜ」
「おう」
彼等はすぐに入り込んだ。そしてそのまま潜入した。
アレクサンドリアの中はあまり知らない。だが連邦軍の艦艇なおでおおよその造り方はわかっていた。彼等は格納庫の方に向かった。
「見つかるなよ」
「わかってるって」
そうしたやりとりをしながら慎重に進む。そして格納庫に辿り着いた。中に入って彼等は思わず声をあげた。
「お、おい」
「あ、ああ」
そこには多くのモビルスーツがあった。そして何とそれはガンダムであったのだ。
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