第三話 シャングリラ
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するティターンズを敵視
するのは当然であった。
「そう思うだろう。じゃあ決まりだな」
「うん」
今度はプルが頷いた。
「じゃあすぐに行こうよ。早くしないとあっちが出て行っちゃうよ」
「まあそう焦るなって」
ジュドーはそんなプルを宥めた。
「準備ってやつが必要だよ。なあ」
ここでビーチャ達に顔を向けた。
「ああ」
「今車を持って来るよ」
「うちのワゴンでいいよね」
エルとイーノがそう言って何処かに駆けて行った。彼等はそれを見送った。
「さて」
ジュドーは二人が車を持って来に去ったのを見届けた後で店の奥に顔を戻した。
「リィナ」
そして別の女の子の名を呼んだ。
「何?」
暫くしてプルやプルツーと同じ位の歳の少女が出て来た。髪の色はジュドーと同じである。顔付きも似ている。だがその表情は可愛らしく、如何にもといった感じの整った顔立ちであった。そこがジュドーとは違っていた。ジュドーの妹であるリィナ=アーシタであった。
「おお、いたか」
「さっきからいるわよ」
リィナは兄の言葉に口を尖らせた。
「ティターンズ相手にやるんでしょ」
「ああ」
彼は答えた。
「何だ、知っているのかよ」
「知ってるわよ」
リィナは口を尖らせたまま答えた。
「さっきからそれだけ騒いでいたら。ご近所に聞かれたら大変よ」
「あらら」
ジュドーはそれを聞いてバツの悪い顔をした。
「聞こえてたのかよ」
「どうせ止めたって行くんでしょ」
ジュドーは兄に対して言った。
「相手はティターンズだし」
「ああ」
ジュドーはそれを否定しなかった。頷いて答えた。
「気を着けてね」
リィナは兄達に言った。
「あたしが言えるのはそれだけだけれど」
その顔は不安に満ちたものであった。
「わかってるさ。心配するなって」
ジュドーはそんな妹を励ますようにして言った。
「すぐに大金持って来るからな」
「そうしたらパーティしようぜ。パッとな」
「いいわね、皆で」
ルーがビーチャの言葉に賛同した。
「そういうこと。リィナちゃんは何も心配する必要はないよ」
モンドも彼女を励ました。それを聞いてもリィナの顔は晴れなかった。
「うん」
まだ何か言いたげであった。だがここでエルとイーノが乗るワゴンが来た。
「お待たせ」
「これなら皆乗れるよね」
「ああ」
ジュドーはそのワゴンを見て満足そうに頷いた。
「じゃあ早速行くか。皆乗れ」
「了解」
「まずあたしが乗るね」
「子供は後だよ、プル」
「あーーーっ、自分だってまだ子供の癖に」
「ビーチャずるいぞ」
口喧嘩をしながらワゴンに乗り込む。そして皆乗った。それから出発した。
「行ってらっしゃい」
リィナは彼等を手を振って送った。
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