第三話 シャングリラ
[5/12]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
もかえって増えていた。そしてその商売の状況も以前よりよくなっていた。彼等は今そのジャンク屋になっているジュドー=アーシタの家に集まっていた。
「ねえジュドー」
長い薄紫の髪の美しい少女がジュドーの名を呼んだ。ルー=ルカである。
「何だ」
黒い髪の少年ジュドーが彼女に応えた。
「何か気になることでもあるのかよ」
「あるわよ、それも大あり」
ルーは強い声でそう答えた。
「ここにティターンズかギガノスが来ているって話じゃない」
「まさか」
だがジュドーはそれを否定した。
「こんな所にわざわざ来るもんかよ、あいつ等は今ゼダンにいるんだぜ」
「いや、わかんねえぞ」
蜂蜜色の髪をした少年、ビーチャ=オレーグがジュドーに対してそう言った。
「ここはアナハイム社の業者も出入りしているしな。それの関係なら有り得るぜ」
「そういえば昨日でっかい船が来たよね」
黒い髪に浅黒い肌の少年がそれに合わせた。モンド=アカゲである。
「ああ、あの船だね」
茶色の髪の少年も言う。イーノ=アッバーブである。
「それならあそこに泊まっているよ」
彼はそう言ってコロニーの彼方を指差した。港のある方である。
「そうなのか」
ジュドーはそれを聞いていささか事情がわかってきた。
「ティターンズのやつなんだな」
「ああ」
彼等はそれに頷いた。
「じゃあ話が早え、それかっぱらっちまおうぜ」
「やるか」
皆それを聞いてにんまりと笑った。
「こうこなくっちゃね」
黄色い髪の少女が言った。エル=ビアンノである。
「プル、プルツー」
ジュドーは店の奥にいる赤髪の二人の小柄な少女に声をかけた。
「仕事だぜ。お宝を見つけたぞ」
「お宝!?」
「ザクか何かか!?」
二人はそれを聞いて店の先に出て来た。
「おいおい」
ジュドーはザクと聞いて苦笑した。
「確かにザクなんて手に入ったら高く売れるだろうけれどな」
やはり名機なのは事実である。その筋のマニアには高く売れるのである。
「けれど今回はもっと違うぜ」
「違うの?」
「じゃあ何だ?」
「よく聞けよ」
ジュドーはまずそう断った。
「うん」
「わかった」
そして二人はそれに頷いた。彼はそれを確かめてから語った。
「相手はティターンズだ」
「ティターンズ」
二人はそれを聞いて顔を引き締めさせた。
「そうだ」
ジュドーは二人のその顔を確かめながら頷いた。
「わかるな。今回は儲かるだけじゃねえぜ」
「そうだな」
プルツーはそれを受けて応えた。
「ティターンズはどのみちあたし達によくするとは思えない。連中を妨害することならした方がいいな」
ティターンズはスペースノイドにとっては公然とした敵であった。地球至上主義を唱え彼等を排除
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ