第三話 シャングリラ
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声がした。
「アデルのリ=ガズィと御前さんのディジェじゃ操縦の形式がまた違うだろうが。一緒にするな」
「おお、ヘイトか」
ディジェの中にいる茶色い髪と口髭の中年の男がF90に顔を向けさせた。
「御前さんはありかし普通に動かしているな」
「まあな」
F90の中にいる金髪のリーゼントの男、ヘイトはそれに答えた。
「こっちはわりかし操縦が楽なんだよ」
「そうなのですか」
リ=ガズィの中の黒い髪と髭の男がそれに頷いていた。彼がアデルである。この三人は一年戦争からの同僚であり、かっては『不死身の第4小隊とまで呼ばれていたのである。歴戦のパイロット達であった。
「隊長は何の問題もないみたいだな」
ここで三人は彼等の前にいる銀色のガンダム、GP−01に目をやった。するとそこから声が返って来た。
「当たり前だ」
渋い男の声であった。
「このガンダムには何度か乗ったことがあるからな」
「そういえばそうでしたね」
「ああ」
男はまた答えた。白い髪をした初老にさしかかろうかという男であった。彼がこの小隊のリーダー、バニングであった。連邦軍においては名のあるエースの一人である。
「アデルもじきに慣れるだろう。いや、慣れてもらわないと困る」
「わかっていますよ」
アデルはそう答えた。
「慣れないと命に関わりますからね。それはわかっているつもりです」
「ならいいんだがな」
バニングはそれを聞いてそう言った。
「機体がよくなったのはいいがな。慣れないとどのみち同じだ。それはわかってくれ」
「了解」
三人は彼の言葉にそう頷いた。
「ところでだ」
バニングはここで話を変えた。
「カミーユの隊は何処にいる」
「あっちですよ」
ディジェが右手を指差す。そこには四機のモビルスーツがいた。
一機は黄色いモビルースーツであった。Zガンダムの試作機の一つメタスである。試作機ながらコストパフォーマンスが高く、修理機能もある。中々優れた機体だ。
そしてガンダムマークUにGディフェンサーを付けたスーパーガンダム、そしてガンダムマークUを更に発展させたガンダムマークV、そしてZの発展型ZUであった。どれも名のあるパイロットが乗っている。
「ねえカミーユ」
メタスから少女の声がした。黒い髪のあどけない顔立ちの少女だ。ファ=ユィリィである。ロンド=ベルのパイロットの一人である。歳の割に戦歴は長く、この隊においては主要なエースの一人でもある。
「もう私達の小隊は全員揃ったわ。早く行きましょう」
「ああ、そうだな」
ZUに乗る少年の声がした。青い髪の少年である。彼がアムロ=レイと並ぶロンド=ベルのエースパイロットであり、ニュータイプとしても知られるカミーユ=ビダンである。先の戦いで獅子奮迅の活躍をしたことでも知られ
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