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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
11.開発衛士との戦いT
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11.開発衛士との戦いT
巧は城井の胸の内を聞いてからというもの、訓練に身が入らなかった。城井の言葉は巧の心に深く突き刺さり、訓練では城井の言葉に従順に従っていた。しかしそれは巧のやり方とは合わないもので、訓練も今まで最善を尽くそうという気概で行っていたものが、どこか気の抜けたものになっていた。柳田の訓練のおかげで訓練と思って手を抜くようなことはしなかったが、自分から出てくる熱のようなものはなかった。
そんな日々を過ごしていた巧だったが本来は訓練兵。訓練校卒業、そして任官の日が近づいてきた。そして巧にとって忘れがたい日がやってきた。
◆
「明後日に予定されていた米軍との合同演習だが、その詳細が決まった。」
朝食後、訓練を始める前のブリーフィングで篠崎が切り出した。厚木基地は同盟国である米軍の駐留基地でもあり米軍戦術機部隊がいた。両国軍の交流と技量の向上を目的とした合同演習が行われることが多く、明後日にもそれがあった。しかし今回の演習はいつもと違うと衛士たちの間では噂になっていたのである。先日運び込まれた米軍戦術機が今まで見たことがないものであったことから、新型のテストではないかと思われていたのだ。
「米軍の新型の試験演習であるという噂は本当らしい。新型の呼称名はF-15E<ストライクイーグル>。F-15<イーグル>の改修機らしい。配備はまだ先だが、改修機ということもあって完成度は高い。」
「性能の詳細はこちらに伝わっているのでしょうか?」
「少なくとも俺は知らんな。ただ聞いた話だと米軍が開発している第三世代戦術機の代替期間のつなぎとして大改修したそうだ。貴様らもF-15の性能は知っているだろう。撃震とは比べ物にならんレベルだ。それにあえて金をかけて改修するということは相当なものなのだろう。」
厚木基地に陽炎を擁する部隊はないが合同演習でF-15の力は散々見せつけられていた。今までの演習で、撃震とF-15では戦力比2:1でやっと拮抗できるといったところ。戦術機搭乗時間では遙かに帝国軍の方が多いにも関わらず、米国軍のF-15には手も足も出ないというのが現状だった。それでも第一世代機と第二世代機の差を考えればよくやっている方ではあったが…。
「今回の演習において戦力比は3:1に設定されている。こちらは大隊、米軍は中隊規模での演習になる。そして我がパンサーズはその演習に参加することが決定した。今日の訓練は市街での対人戦を想定し行う。」
場がざわめく。それもそうだろう。いかに米国と帝国の戦術機の間に大きな技術格差があったとしても3:1というのはあり得ない数字だ。しかも相手は『つなぎの機体』である。帝国軍人としてのプライドが傷つかないわけがなかった。
「この条件は米国側から提示されたものだ。みんなも感じていると思うがこれはな
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