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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
11.開発衛士との戦いT
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いほどの高機動戦闘を可能にしている。簡単に言えば遠くの距離から、速く動きながらでも正確に射撃を出来るということである。その点で言えば撃震との性能差は竹槍と小銃と言っていい。多くの第二世代機を試験してきた米軍のテストパイロット達もその圧倒的なスペックの高さに舌を巻いたほどである。
「しかしジャップ共も馬鹿な奴らだ。この機体にF-4で挑もうってんだからな。太平洋戦争での教訓を忘れちまったらしい。」
 コンクリートジャングルとまでは言えないが、それなりにビルが並ぶ狭い道を信じられない速度で移動しながら帝国軍の撃震を撃墜する。帝国軍は攻撃範囲の遥か遠くから狙い撃たれ為す術なく崩れ落ちる。最新のアビオニクスによって狙いはほとんど自動照準任せだが、寸分たがわずコクピットを撃ち抜くことができる。帝国軍はあわてて部隊を展開しているようだがスピードでストライクイーグルに敵う訳もなく、次々に撃ち落とされていった。
『そういうな。F-4を使っている割には頑張っている方だろ。まあこれだけ力の差を見せつけられれば、帝国軍も純国産機なんて身の丈に合わない夢を抱かず素直になるだろ。』
 今回の合同演習における米国の狙いは技術力の差を見せつけることにあった。というのも10年以上昔から純国産の戦術機開発に取り組んでいた帝国だが、それが完成するという報告が入ったのである。BETA大戦初期こそヨーロッパや中国をメインに輸出していたものの、近年では帝国も大口の顧客である。それが国内で開発された新型にシェアを取られてしまっては米国の兵器メーカーは大損である。そうでなくても各国が戦術機の独自開発に着手していることから近い将来、米国の兵器メーカーの売り上げは大きく落ちると予想されている。
 そこで合同演習という名の一方的な戦いを見せつけることで改めて米国の戦術機こそが最強であるということを見せつけるのが狙いであった。目標は損害ゼロの全機撃墜。通常あり得ない目標だが、敵の能力は完全に把握している上に、こちらの情報は完全にシャットアウトしている。しかも既存機体の改修機という情報のおかげで帝国はこちらの戦力を低見積もっていることだろう。こちらの戦力を測られないために戦力を分散し早期殲滅を狙う。
 そしてその目論見は、帝国軍の反応を見る限り成功するように感じられた。
『ラビット7、バンデッド・インレンジ、フォックス2!』
 そしてまた一機撃墜した。帝国軍の動きは完全に予想通りだった。こちらが戦力を分散したことで相手も分散した。わざわざ音を立てて位置を知らせながら移動した甲斐があったというものだ。
『ラビット6よりラビット5、敵2機が着剣しました。』
『ラビット8、こちらも同じです。』
 どうやら敵は遠距離戦で歯が立たないと見るや近接格闘戦に持ち込んで一矢報いようと考えているようだ。
「玉
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