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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
10.新しい出会いU
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。」
「それを貴様に言う必要はない。貴様は言われた通りやっていればいい。」
「その言葉には従えません。最善を尽くすなというのはエレメントを組むものの言葉とは思えません。それこそ『遊び』と言うのではないのですか?」
と、言ったらぶん殴られた。しかも容赦がない一撃。訓練を欠いてはいなかったが相当堪えるぞ、これ。
「よく回る舌だな。これで済んだことに感謝するんだな。」
「ちょっと待ってくださいよ!まだ答えを聞いてない。修正するならその理由を教えてください。理由無き修正は上官のすることとは思えません。」
「貴様……。」
 今度は胸倉をつかまれ締め上げられる。だがこんなことで引いていたんじゃずっと変わらない。俺は自分が正しいと思っているし殴られて逆に反抗心が湧いた。絶対に負けん。
 そんな俺の目を見て考えが変わったのか、中尉は俺を放した。何か考えている様子だが……。
「分かった。そんなに聞きたいなら後で教えてやる。食事後、訓練場に来い。食後の運動をしよう。」
 はっ。徹底的に俺をいたぶるつもりらしい。まあ良いだろう。ただじゃやられねぇからな。
「了解しました!」



 訓練場に着いた。中尉と訓練という名の腹ごなしをする予定なので六分目に抑えておいたが、どんな扱きをやらされるのやら…。威勢良く『了解しました!』なんて言ったが落ち着いてみるとアホなこと言ったなぁと思う。
「ほう、逃げずに来たか。さて……始めようか。」
「始める前に伺いたいのですが。」
「何だ?」
「自分は中尉との今の関係は良くないと思っています。エレメントを組むならせめて納得はできなくても理解はしておきたいと。この『食後の運動』はそのために必要なことだという理解でよろしいでしょうか?」
「そうだな。少なくとも私にとっては必要だ。貴様にとってはその限りではないがな。」
「分かりました。では始めましょう。」
「………全く貴様は…。そういうところがムカつくんだ!」
審判がいるわけではないので中尉の一撃が『食後の訓練』の始まりとなった。正直言って戦いながら語り合うような器用なまねはできないし、中尉相手にそんな余裕もない。中尉は女性だが俺なんかよりも遙かにキャリアがあるし、打撃戦では中隊で一番強い。勝機を見出すなら距離を潰しての接近戦だ。
中尉のジャブが顔を掠める。空気を切り裂くような速さだが重さもある。風切り音が耳に響く中、俺はタックルをかます為に腰を落とし中尉の膝に向かって突進する。しかし中尉はそんな動きはお見通しとばかりにタックルをかわし、俺の顔面を容赦なく蹴りつける。
「ぐっ…!」
「おら!どうした遠田のお坊ちゃまが!でかい口きいといてその様か!?」
くそ!言ってくれるな…。今の蹴り防げなきゃ首の骨折れてたんじゃないのか?
 そう感じるほどきつい蹴
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