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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
10.新しい出会いU
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それ以上のことができる機会があるなら積極的にやるべきじゃないのか?
 とは言っても城井中尉の腕は良い。エレメントを組んで思ったが、戦術的視点を抜けば篠崎大尉よりも優れていると思う。そしてエレメントを組む相手としてはこの上ない衛士だ。サポートが的確で早い。俺もそれで何度か助けられている。
 あれだけ出来る中尉が何でこんなにも俺に突っかかるのか。全く自覚はないし、正直イラつくが、ひょっとしたら俺の方に問題があるのかもしれない…。訓練が終わったら勇気出して聞いてみるかな。んっ?

「パンサー3!チェック6!」
『了解!』

珍しいな中尉が後取られるなんて。

 要撃級は近くにいれば首(に見える尾)を薙ぐ。最近気づいたことだがこの時は逆手で長刀を持った方がすれ違いに切れるため動きに無駄がない。『切る』という動作は通常長刀を振り上げて下ろすという二動作が必要だが、要撃級を殺すことに限れば逆手で一薙ぎにした方が早い。そして空いた手で持った突撃砲で周囲に群がる戦車級を一掃する。坂手だと順手よりも間合いが短くなってしまうためその点は注意が必要だが、敵の攻撃範囲が分かっているなら即時に次の行動をとれる分危険性は少ない。
『遠田ぁ!貴様何度言ったらわかる!余計な小細工するな!』
うば〜〜〜〜〜〜〜!またかよ!

巧side out



 巧は訓練終了後食事前に話す為にブリーフィングルームを出ようとする城井に声をかけた。
「城井中尉、少しお時間をいただいてもよろしいでしょうか?」
「何だ?演習についてのことなら先ほど終わっているが。」
「いえ、その……中尉は何か自分に思うところがあるようなので、エレメントとして知っておきたいと思いまして。」
「別に貴様に思うところなど無いぞ遠田臨時少尉。ただ正式に任官している訳でもないヒヨコ風情が調子に乗ってシミュレーターで遊んでいるから邪魔だと言っているだけだ。なに、金持ちの道楽に付き合わされている私のせめてもの抵抗だ。気に障ったか?だったら衛士など目指さず実家で引き籠って居るが良い。遊び半分でやられると迷惑だからな。」

決して音感センサーに引っかかることはないが………『ピキッ』という場の空気が凍りついた音をその場にいた人間は全員耳にした。



巧side

おいおい、何でこんなこと言われなきゃいけないんだ。俺は基本的に温厚な性格をしていると思っている。感性も普通だと思う。(だから夕呼に振られたんだが…)
 それでもこの女を殴りたい衝動が抑えられない。しかし相手は上官。もし手を出したら懲罰を食らうだろう。しかしムカつく…。
「お言葉ですが、自分は遊んでいるつもりはありません。ただその時の状況に応じて最善を尽くそうとしているだけです。それを遊びというなら理由をお聞かせください
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