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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
10.新しい出会いU
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う回せない。まあやることは同じだ。皆殺しにしろ。』
「パンサー12了解!」
さて、始めますか。

巧side out



 前方から迫る突撃級に巧は36mmで足を狙う。訓練校で教えられる突撃級の攻略法は低空跳躍でかわした後に背面を36mmで撃つ、または引きつけてから120mmで外殻ごと粉砕するというものだが、巧はその方法を好まなかった。
 跳躍するということは光線級に狙われる可能性があるし、着地した時の硬直で後続のBETAにやられる危険性がある。そして120mmは通常の戦術機の最大火力であり要塞級や重光線級のように少数で戦況を覆す強力なBETAに対して有効な武器だ。弾総数が少ないため無駄には撃てない。
 36mmを足に撃てれば殺すことができなくても動きを止めることができるしBETAの隊列に穴があく。その間を縫うように動けば光線級にも撃たれずに済む。それだけでなくBETAとの戦いにおいて存分に高度をとれることは稀であり、生き残るためには平面での機動を如何に極めるかが重要。それをこの一週間で学んでいた巧は平面での基本的な操縦の精度と射撃精度の向上を目標にしてきたのである。

『下手なことをするな遠田!基本通りにやれ!』
城井中尉の檄が飛ぶ。城井中尉は遠田が基本とは違う方法で戦うことをいつも厳しく注意する。巧はそれが気に食わなかった。
(くそ!個人的に気に食わないだけじゃなくてこんなところまで……。いい加減イラついてくる!)
 そう内心舌打ちした巧だが軍隊において上官からの忠告に対して下士官が取れる言動は『是』一択。
「了解。」
 忠告された通り跳躍し背面を撃つ。柔らかい後ろ部分を蹂躙された突撃級が次々と倒れていく。いつもの光景である。パンサーズのベテラン組はもちろん新任組もこの手慣れた作業でミスをすることはない。しばらく突撃級の相手をしているとレーダーに新しくポイントが表示される。
『こちらパンサー1。後方1kmから要撃級と戦車級を主力とした一群が来るぞ。数は約500。この程度の数なら前に打って出るぞ。楔壱型で敵を殲滅、その後、後続のBETAに備えて戦線を上げる。』
「パンサー12了解!」
『パンサー3了解!パンサー12ついてこい!いいか、基本通りやれ。貴様の小細工は邪魔なだけだ。』
(一々うるせえんだよ!あんたは!)
「了解!」



巧side

 本当に何の恨みがあるんだ?確かに俺の戦い方はセオリーから外れることが多いが合理的だし別に隊規を乱しているわけでもない。小隊にもエレメントである城井中尉にも迷惑をかけているわけでもない。むしろいい影響を与えているはずだ。
 でも中尉は俺のそんなところが気に入らないらしい。基本を外れたことをすることを極端に嫌い型に押し込もうとする。基本を疎かにはしないが
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