第二話 悪を裁つ剣
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言葉にふと気付いた。
「それは違うな。わしが貴様等に会うのはこれが二度目だ」
「それは俺達の話だ」
「貴様には関係のないことだ」
「ふむ」
やはり彼にはわからなかった。彼は甲児達が未来に行っていたことを知らないのである。
「まあいい。わしがここに来た理由はわかるな」
「俺達とやり合うつもりか」
「貴様等がそう望むのならな」
彼は悠然とそう答えた。
「しかし今はそのつもりはない。ククルよ」
「何だ」
声をかけられたククルは彼に顔を向けた。
「今は退け。よいな」
「何故だ」
彼女はそれを受けて暗黒大将軍を睨みつけた。
「わらわはまだ戦える。余計な助太刀は無用だ」
「無論それはわかっておる」
彼はそう言葉を返した。
「では何故だ」
「今我等の帝国に敵が向かっておる。すぐに戻って欲しいのだ」
「何、敵!?」
彼女はそれを聞いて眉を顰めさせた。
「連邦軍か」
「いや、どうやら違うのだ」
暗黒大将軍は彼女の問いに首を横に振った。
「かといって恐竜帝国でもない」
彼等と恐竜帝国は中立関係にあるのだ。
「では何じゃ?」
ククルは少し苛立った声で暗黒大将軍に問うた。
「それはわからん。だが今は七大将軍は全て出払っていてな。お主の力を借りたいのじゃ」
「そういうことならわかった」
彼女はようやく頷いた。
「では行こう。そしてその敵を倒すぞ」
「うむ、闇の帝王様に何かあってはいかぬからな。すぐに行くぞ」
「わかった」
ククルは風の様な動きで抜けた。そして最後にゼンガーの方に振り向いた。
「ゼンガー=ゾンバルトといったな」
「そうだ」
彼はそれに応えた。
「今はこの勝負預けておこう。じゃが今度会う時は」
その目が赤く光った。
「その命貰い受ける。よいな」
「望むところだ」
ゼンガーも退いてはいなかった。そう返した。
「俺は何時でも貴様が来るのを待っている。思う存分来い」
「その言葉、忘れるでないぞ」
そう言い放つと姿を消した。見れば他の邪魔大王国のハニワ幻人達も全て消えていた。
「終わったな」
甲児は敵がいなくなった戦場を見てそう呟いた。
「ああ、とりあえずはな」
ピートがそれに返した。
「だが奴等はしつこい。どうせまた来るぞ」
「ああ、それはわかっている」
ここにいる誰もがわかっていることであった。
「ミケーネも恐竜王国もな。そう簡単には退きはしない」
「だが負けるわけにもいかないぞ」
竜馬が鉄也に言った。
「奴等がどれだけしつこくてもな」
「それもわかっている」
やはり鉄也は冷静であった。そう返した。そしてその冷静さを別のところに向けた。
「今ここにいるだけでは奴等を相手にするのは難しいな」
「そうだな」
サコン
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