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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
9.新しい出会いT
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は少しずつ巧を削り、巧の激震は左腕に小破判定が出ていた。
(このままじゃやられる!)
そう判断した巧は賭けにでた。ジグザグな機動を取るのをやめ、スピード勝負。直線で接近する。
もちろんそんな隙を見過ごす篠崎ではない。
(特攻か!いくら操縦がうまくてもガキだな。これで終わりだ!)
巧の捨て身の特攻に対して冷静にロックオンし36mmで狙い打つ。ばら撒かれた弾丸は吸い込まれるように巧の激震に直撃した。
しかし篠崎の思惑とは裏腹に大破に至らなかった。巧は跳躍ユニットを全開で吹かしながらも態勢を半身に、左型を突きだすように突貫したのだ。
戦術機の肩部は第一、第二世代共に大きく、重くなっている。これはセンサー類が集中する頭部を守るためであり、他の部分に比べると装甲が厚いのだ。しかも機体は激震。機動力よりも防御力を重視した装甲。36mmが多少当たっただけでは壊れない。
「いざ!勝負!!」
激震の全推進力を使った機動に内臓が押し付けられる苦しみに耐えながらも兵器担架システムを起動し長刀を選択する。左半身はこれまでの戦闘で使い物にならない。まさに最後の一撃だった。
長刀を保持する補助腕に備え付けられている爆薬を起動し長刀を跳ね上げ、その勢いを利用して右袈裟切りを放つ。体中の勢いをそのまま乗せた斬撃はまさに古の武士の戦い方だった。
しかし篠崎はその攻撃に心胆を冷やしつつも弾頭を120mmに変更し巧の激震を打ち抜く。演習場では二つの激震が接触し、ビルがいくつもなぎ倒される大惨事になった。
◆
演習は結果として篠崎大尉の勝ちだった。最後の攻撃は確かに巧の管制ユニットを打ち抜いており、実弾であれば接触する前に爆散していたというのがオペレーターの説明だった。
演習終了後、整備班にさんざん説教を食らった巧は篠崎に呼び出されブリーフィングルームに向かった。そこには隊長である篠田大尉と他のパンサーズのメンバーと思われる隊員がいた。
「遠田、任官早々の演習ご苦労。その評価は置いておいて、まず自己紹介だ。」
「はっ。遠田巧訓練兵であります。階級は臨時少尉となります。よろしくお願いします。」
そして各々の自己紹介があった。
◆
「さて、遠田少尉。先ほどの演習では見事だった。訓練兵とは思えないレベルだ。」
「ありがとうございます!」
「だが貴様の操縦には欠点がある。これを見ろ。」
それは演習の映像だった。
「貴様の機動は確かに目を見張るものがある。だが俺の機体は貴様のように激しく動かなくても回避できているだろう。これは精度の差だ。機動や射撃の精度があれば相手の射線を最小限の動きでかわせるし、相手の激しい機動にも惑わされずに撃ち落とすことができる。そしてそれは実機での経験と積み重ねた錬度が物をいう。お前はこれから連携の訓練をす
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