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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
9.新しい出会いT
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mなら多少当たり所が悪くても致命的な損傷を与えることができる。
しかしその攻撃は外れた。かなり距離をとっていたために照準を合わせる時間が長くなってしまったのである。それでも今までの感覚だと当たっていたのだが、やはり正規軍の大尉ともなると基本的な機動一つとっても錬度が高い。こちらの攻撃を感知した瞬間に跳躍ユニットを使って移動しビル陰に滑り込んでいった。
(これが正規兵の機動…こんな奇襲はもう通用しないな。)
巧の奇襲は事前に電磁伸縮炭素帯を弄ることで市街地における静音性を上げ、敵をより早く発見することで成り立っている。ゆえに一度姿を晒した以上そのアドバンテージはない。同じように奇襲仕掛けるためには何らかの形でジャミングしなくてはならないが、手持ちにそれを成し得る兵装はない。
そして敵は格上。小細工が使えない以上真正面から戦うしかない。
(まあ元から簡単にやれるとは思ってなかったし、やってやるさ!)
◆
それからの戦いは傍目地味なものだった。お互いビルに隠れながら相手を窺い、隙を見て撃つ。隙があれば間合いを詰め、危険なら距離を取る。それを繰り返し数分。篠崎は巧の能力を把握しつつあった。
「基本は出来ているし、機動も反応も凄まじいものがある。しかし精度が甘いな…」
巧は静止した状態での射撃、撃たれた時の反応と緩急をつけた機動などは目を見張るものがあった。しかし自分が動きながら、動く相手を攻撃するときの精度がイマイチだったのである。それは当たり前のことなのだが反応や機動の凄まじさからすると見劣りする。それを成す為には相手の動きを読む豊富な実戦経験が必要で、戦術機訓練を初めて間もない巧にはまだ難しいことだった。
「それに攻撃が単調だな。タイミングが読めてきた。そろそろ仕掛けるかな。」
そういうと篠崎は両主腕で突撃砲を保持し制圧射撃をしながら間合いを詰め始めた。
一方巧は自分の攻撃が当たらないことに焦りを感じ始めていた。一対一で遮蔽物に身を隠しながらの銃撃戦なので簡単には当たらないのだが、時間が経つにつれて自分の攻撃は余裕をもってかわされるようになり、相手の攻撃は自分を掠めるようになっていた。
「くそっ!なんで当たらないんだ!」
何かしなくてはと焦り始めたとき篠崎の機体が36mmをばら撒きながら一気に間合いを詰めてくる。
「このままじゃジリ貧だな…。やるしかないか!」
巧も身を乗り出して勝負をかけた。
一気に間合いが詰まる両機だがその機動は対照的だった。巧はビルの間を往復するように激しく動き回り、時に三角跳び等の高度な機動技術を見せた。一方篠崎は派手なことをせず、まっすぐ間合いを詰める。しかしその中でも不規則に、機体を揺らすように動かし的を絞らせない。両者の攻撃はどちらも直撃はしないものの、篠崎の攻撃
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