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MUV-LUV/THE THIRD LEADER(旧題:遠田巧の挑戦)
9.新しい出会いT
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訓練校に入る前の検査や試験で優秀すぎたためである。本来ならば同期で入ってきた者たち同士で総戦技演習に臨んでいたはずなのだ。104分隊全員が感じていることだが、訓練校で培われた仲間の絆というものは強い。一年間苦楽を共にし、衛士を目指す中でできた繋がりは今までの人生ではあり得なかったものだった。しかし巧にそれはない。自分達は巧のことを既に仲間だと思っているし、それは別の隊に編入しても変わらない。だが巧は半年しか104分隊にいなかったし、今後また新しい部隊に行く。自分たちが最初そうであったように巧の若さと才能は疎まれることもあるだろう。
そんな思いをさせてしまう自分たちが情けなかった。
「みんなには済まないと思ってる。俺はみんなと任官式に出たかったんだけど途中で抜けるみたいなことになっちまった。」
「馬鹿野郎、気にすんな。謝るのは俺たちの方だよ。お前は自分に出来ることを精一杯やってきただけだ。それに俺たちが付いていけなかった。これはそれだけのことだ。ついていけなかった俺たちが悪いのであってお前は悪くない。俺らはお前に感謝してるんだ。一度総戦技演習に落ちて、どこかやる気もなくなっていた。そんな時にお前が来て、お前のまっすぐ衛士を目指す姿勢に引っ張られるようにしてここまで来たんだ。本当にありがとう。お前が俺たちと総戦技演習を超えたのは変わらないし、どの戦場に立っていても俺たちは厚木の104訓練分隊だ。衛士になって生き続ければまた会える時も来る。またいつかこのメンバーで酒でも飲もうや。」
田上は自分たちの感謝の気持ちが巧に伝わるように、また孤独になるであろう巧が離れても自分達との繋がりを感じてもらえるように巧を激励した。
巧も申し訳なさを感じていたが、田上達の気持ちを受け取り自分は自分の道を全力で歩むことを決意したのであった。
◆
「遠田巧訓練兵、本日より厚木基地第二戦術機甲連隊所属第五中隊に着任いたします!」
「貴様の着任を歓迎する。さて俺は第五中隊、通称パンサーズの隊長を務めている篠崎大尉だ。今パンサーズは新任が四人いてな、隊の連携を最優先に訓練している。貴様は臨時少尉として訓練に参加しろ。貴様は訓練兵ではあるが隊の訓練をするときには少尉として扱う。ミスをしても訓練兵だからという言い訳は通用せんぞ。分ったな?」
「はっ、了解しました。」
「よし、資料では応用課程を修了しているとあるな。残すは連携訓練だけか。」
「はっ。」
「しかし……半年で基礎訓練を終えて二カ月で応用課程終了か…。すさまじいな。この人事にはあまりいい気はしなかったんだが期待してもいいのか?」
「全力を尽くします。」
「うむ。まあ何にせよお前次第だな。お前がこの人事にふさわしい能力を示せば周りも納得するだろう。さて、今後の訓練だが現在のお前の実力を知りたい。通
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