第一話 魔装機神
[6/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
二匹を黙らせてとりあえず道を聞くことにした。相手は誰でもよかった。
「おお、いたいた」
彼はすぐにそこにいる一人の少年に声をかけた。この時彼はその少年について詳しくは見ていなかった。
「おい、そこのあんた」
「ん!?俺か!?」
見れば黒い軍服を着ている。軍歴らしい。黒い髪と瞳を持ち、やや幼さの残る整った顔をしている。目が大きい。
「ああ、あんただ。ちょっと変わった軍服だな」
「そうか!?」
だが彼はそれを気にはしていないようである。
「特殊部隊か。黒いラングランの軍服なんてはじめて見たぜ」
「ラングラン!?それは何だ」
ここでその少年は首を傾げた。
「おい、何を言ってるんだよ」
マサキはそれを聞いて怪訝そうな顔をした。
「あんたはそのラングラン軍だろうが。悪ふざけにも程があるぜ」
「・・・・・・俺は連邦軍だが」
「何っ!?」
それを聞いたマサキは思わず声をあげた。
「おい、そりゃ本当か!?」
「嘘を言ってどうするんだ」
彼はそれに対していささか憮然とした声で答えた。
「俺の名は栗林忠直。連邦海軍日本駐留艦隊に所属している。階級は少尉だ」
「そうだったのか。俺と同じか」
「あんたも日本人なのか!?」
栗林と名乗ったその若者はマサキのその言葉に反応した。
「ああ、俺はマサキ、マサキ=アンドーだ」
「安藤正樹か」
「ああ、そうだ。マサキでいい。それで栗林さんっていったな」
「タダナオでいい」
「そうか、じゃあタダナオ」
マサキはあらためて彼の名を呼んだ。
「説明が長くなりからとりあえず俺と一緒に来てくれるか」
「何処にだ!?」
「あんたは日本からこっちに来たんだろう?」
「ああ、急にな。当直を終えて帰ろうとしたらだ。光に包まれて気がついたらここにいた」
「そうか。俺達と同じだな」
マサキは彼の話を聞いて妙に納得した。
「とりあえずは日本に戻りたいな」
「悪いが今すぐには無理だ」
マサキは厳しい顔をして答えた。
「それはわかるだろう」
「・・・・・・ああ」
残念ながらタダナオにもそれは理解できた。ここが見たことも聞いたこともない世界なのがわかったからだ。
「まずは詳しい話だ。いいな」
「わかった」
タダナオはそれに頷いた。そして彼はマサキと二匹の猫、そして途中で会った一人の兵士に案内されて他の魔装機のパイロット達やフェイルが待つテントに向かった。
「新しい地上人か」
テントの中のテーブルの中心に座る緑の波がかった髪と澄んだエメラルドの瞳を持つ青年がマサキとタダナオの説明を聞き顎に手を当てて呟いた。地味ながら整った白い軍服がその気品のある顔によく合っている。彼がこのラングランの第一王位継承者であるフェイルロードである。
幼い頃より聡明な人物
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ