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ヘタリア大帝国
TURN53 ハワイの戦いその十一
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 何とエルミーはここで田中と〆羅にこう言ったのだった。
「一旦姿を見せましょう」
「おい、どういうことだよ」
「潜水艦が姿を現すのですか!?」
「はい、一瞬だけ」
 そうするというのだ。
「そしてそのうえで」
「また隠れるのかよ」
「そうされるのですか」
「そうです。後方に敵が出るとなれば」
 そしてそれがはっきりと見えればだというのだ。
「誰もが穏やかではいられませんね」
「確かにな。それはな」
「どうしてもそうなりますね」
「それが狙いです」
 つまり相手の動揺を誘うというのだ。
「そして動揺したところをです」
「攻めるんだな」
「そうしますか」
「そうです。では仕掛けましょう」
 エルミーは淡々とした口調で述べた。そうしてだった。
 潜水艦艦隊は一瞬だが姿を見せた、それを見てガメリカ軍は予想通りの動きを見せた。
「後方に敵だと!」
「潜水艦だ!」
「まさか後ろから攻めて来るのか!?」
「我々を」
「皆落ち着くのよ!」
 動揺を見せる彼等にすぐにキャロルが告げる。
「後方にも備えはしてあるわ!それぞれの持ち場で頑張って!」
「ですが長官、後方です」
「後方に潜水艦です」
「姿が見えているうちに仕留めておきましょう」
「今のうちに」
「だから大丈夫よ。落ち着きなさい!」
 対潜用の作戦は実は考えていない、だがそれでもこう言うのだった。
「いいわね、今は!」
「は、はい」
「わかりました」
 ガメリカ軍の将兵達は何とか落ち着きを取り戻した。動揺は一瞬だった。 
 しかしその一瞬がまたしても命取りになった。そこに太平洋軍は突っ込んだ。
「全軍突撃だ」
「今こそですね」
「敵が動揺している、ここで衝けばな」
「勝てますね」
「今こそ戦局を決める時だ」
 秋山に対しても言う。
「それならだ。いいな」
「了解、それでは」
 太平洋軍は一気に突っ込んだ。そうして。
 動揺から立ち戻ろうとしていたガメリカ軍に全ての攻撃をぶつけた。この一瞬で勝負は決まってしまった。
 ガメリカ軍は総崩れになり壊走寸前になる。キャロルも乗艦に直撃弾を受けた。
「第一及び第二主砲使用不能です!」
「左舷のミサイル砲座も壊滅です!」
「ダメージコントロールが限界に達しています!」
「これでは」
「まだよ!」
 キャロルは報告を受けてもまだ目は死んでいなかった。それでだった。
 毅然として艦橋に立ちこう言うのだった。
「まだ戦えるわ!」
「ですが司令、この艦は」
「これ以上の戦闘は」
「無理だっていうのね」
「お言葉ですが」
 側近達も必死の顔でキャロルに告げる。
「ここは下がりましょう」
「仕方ありません」
「ハワイ自体もです」
 見れば艦隊はその殆どが壊走して
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