第2章 真の貴族
第18話 襲撃
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想定している存在だったとしたら、コイツから出て来る情報は馬鹿に出来ません。
何故ならば、情報収集能力は非常に高い種族ですから。夜魔の王と言う存在は。
人間の世界で暮らす以上、自らの正体がばれる事は死を意味します。
まして彼らは、定期的に人間の血液を取り入れなければ、血の渇きから来る暴走状態に陥り、我を失い、後は滅びるしか道は残ってはいません。
人の世界に生きる異形。まして、彼らは俺と違い、人との共存なしには生きて行く事の出来ない種族ですから。
「オルレアン大公が計画に加担していたかどうかに関しては定かでは有りませんが、一部の貴族の間では、そのような計画が有った事は事実です」
微妙な言い回しですが、少なくとも、その内乱の計画らしき物は有ったと言う事ですか。
もっとも、綿密な計画の元に練られて、そのまま放置していたら、国を確実に崩壊させるレベルの代物か、それとも、何処かのウカツな馬鹿が調子に乗ってか、もしくは何者かに踊らされ、挙句の果てに王家の諜報網に引っ掛かって仕舞い、オルレアン派を一気に叩き潰す材料に使われた程度の計画かは、流石に判らないのですが。
しかし、これで、オルレアン大公は誅殺された可能性の方が高くなったと言う事でも有ります。流石に、王位継承を巡って多数派工作まで行った人物を現王家が危険視したとしても、誰も責めはしません。
国の平穏を望むのならば。
それに、このガリアにはサリカ法が有ります。この男系男子にのみ王位継承権を認める法律が有る限り、例えタバサが生き残っていたとしても、彼女が女性で有る以上、最早、オルレアン大公家は王位を継ぐ権利を失っています。
この王位継承を巡るオルレアン大公と現王家の争いは、現王家の勝利と終わったと言う事なのでしょうね。
これから先に、王家に男子が誕生するのならば。
「成るほどな。それやったら、出来る事ならもうひとつ教えて貰いたい事が有るんやけど、良いかいな」
一応、オルレアン大公暗殺に関してのサヴォワ家の持っている情報は判りました。
但し、これはサヴォワ家に取っての真実で有って、事件の真相とは違うかも知れない。
それに、タバサに取っては、そのクーデター計画と言うのが本当に有った事の方が、ショックが大きい事だと思います。
……ならば、この部分に関しては、未だタバサに伝えるべき事柄ではないですね。
但し、結局、最大の謎は残って仕舞いましたが。
何故、タバサが生き残って、更にトリステインに留学させられるような事態に成っているのかと言う謎が。
サヴォワ家が持っている情報は、どう考えてもタバサに取っては不利にしかならない情報だと思います。少なくとも俺が王なら、これだけの情報が有ったのならば、弟一家は全て刑場に送っ
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