第2章 真の貴族
第18話 襲撃
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ったのですが。
しかし……。
成るほど。あの模擬戦の前にタバサに対して行った挑発は、事実を語っていたと言う事ですか。
それにしても、これは少し妙な話ですね。余程の油断をしていない限り、背中から一撃で死亡する事はないと思うのですが。
「何故、オルレアン大公は、背中からの斬撃で死亡したんや?
余程、その暗殺した相手の事を信用していたのか、それとも、不意を突かれたのか。
どちらにしても、その現ガリア国王は、オルレアン大公に警戒されずに近付ける間柄だったのか?」
誰もが疑問に思うで有ろう点について、更に質問を行う俺。
もっとも、このオルレアン大公暗殺事件の真相が国王による誅殺だった場合は、剣の達人クラスの腕を持っている者に命じると言う方法も有ります。……なのですが、それでも、オルレアン大公に警戒をさせない相手で無ければ、背中からの一撃による暗殺などが成り立つ事はないと思うのですが。
まして、そのオルレアン大公も、御付きの者を一人も連れずに、狩場を移動していたと言う事なのでしょうか?
いや、大公家の現当主がそんな危険なマネをする訳が有りません。おそらく、御付きの者が目を離した隙に大公の身柄を押さえられたか、その御付きの者も同時に処分されたのかのどちらかの可能性の方が高いでしょう。
後は、その御付きの者と言う人間が、大公を殺した暗殺者そのものだったか。
「ジョゼフ陛下は、ガリアでも並ぶ者無き剣の使い手です。
但し、オルレアン大公に陛下が警戒されずに近づく事は不可能だったと思います」
この疑問に対しても、簡単に答えてくれるジョルジュ。
それに、そう成って当然ですか。何故ならば、二人の関係は、兄弟で有ると同時に、王位を争った相手でも有るのですから。
そんな相手が武器を持った状態で背後に立つ事など不可能です。まして、相手は王。こんな存在が御付きの武官も連れずに狩場を移動出来るとも思えません。
う〜む。しかし、どうにも難しい事案ですね。今得ている情報だけでは、この暗殺事件で利を得た人間が誰もいないように思える点が話を難しくしていますから。
少し、頭を振り、肺に残った空気を吐き出し、代わりに四月の夜気に冷やされた大気と、二人の女神に祝福された光を取り入れる。
そう。少なくとも、殺された側のオルレアン大公家には、この事件ではマイナスの面しかないのは当然。
しかし、既に王に成っているジョゼフが、政争に負けた側のオルレアン大公を殺しても、後の国内の統治をやり難くするだけで、大してプラスに成る面は無いと思うのですが。
そこまで考えてから、タバサを感じる俺。彼女からは規則正しい吐息を感じ、深い眠りに落ちている。
確かに、本当にそのクーデター
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