第六章 贖罪の炎赤石
第三話 士郎危機一髪!?
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い笑みを浮かべている。
「戦争に赴く友達を助けるため、わたしは絶対にこの戦争に参加します」
黙り込む家族を確認したルイズは、それではとバルコニーから去ろうとしたが、再度公爵が呼び止めた。
「い、いやっ! 駄目だルイズ! たとえどんな理由があろうとも、お前が戦争に行くことは了承出来ん。そ、そうだ、お前は婿を取れ」
「は?」
公爵の言葉を無視して去ろうとしたルイズだったが、公爵の最後の言葉に思わず足を止め、振り返ってしまった。ルイズだけでなく、カトレア、エレオノール、夫人も公爵を見つめている。
公爵はだらだらと汗が流れる顔をルイズに向けると、必死な形相で喚き出す。
「そ、そうだ、お前はワルドに裏切られや、自棄になっているのだっ! む、婿を取ればお、落ち着くはずだっ! い、いいか、これは命令だぞ、いいか命令だからな!」
「な、何をいきなりっ!?」
ルイズが抗議の声を上げるが、公爵は一顧だにしない。
「ジェロームッ!! ルイズを城から出すな! よいな!?」
「かしこまりました」
朝食の間、ずっと黙って傍らに立っていた執事に命令すると、唖然と立ち尽くすルイズを背中に、朝食の席から逃げるように離れていった。城の中に消えていく公爵に向かって手を伸ばした形で固まるルイズを、席から立ち上がった夫人と姉たちが取り囲み出だす。
「ルイズ、あなたの気持ちもわかりますが、お父さまをあまり心配かけないようにしなさい」
「父さまの言うとおりよ、あなた婿をとって少しは落ち着きなさい」
次々にルイズを説得し始めた母と長女に、ルイズは強く反発する。
「絶対に! ぜったあああああいに結婚しないから!!」
「何でそこまで反対するの? あなた……まさか」
「もしかしてルイズ。あなた恋人とかいるんじゃ」
「そ、そんな……人は……」
母と長女の言葉にびくりと背筋を震わすルイズを、母と長女が責め立て始めた。ルイズは逃げるように後ずさるが、母と長女は逃がさない。
「「いるわね」」
「ちょっ! 何でっ?!」
断定する母と長女に後尾の声を上げるが、当たり前のごとくそれは無視され、二人の追求はさらに激しくなる。
「どこの貴族よ? 伯爵? 男爵?」
「……まさかシュヴァリエだとか言わないわよね?」
「い」
「「い?」」
「いい加減にしてよっ!!」
「「なっ!?」」
うがーと両手を広げ叫ぶルイズに、夫人とエレオノールが一歩下がる。下がる二人をルイズは逆に責め立て始めた。
「わたしが誰を好きになってもいいでしょっ!! もうわたしは一人で考えて一人で決められるのよ!! たとえなんと言われようともわたしはわたしの信じる道を行くからっ!!」
「何をっ!?」
「待ちなさいル
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