揉め事処理屋
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俺達は竜極会を後にした。
その後、悲鳴が聞こえたが俺達は関係ないね。
依頼人が待つ松永納豆店に帰り、店主である松永 久信に取り立てられた金を返してやった。
「有難うございます、有難うございます!!」
「今回の依頼料ですが、最初は五百万でしたが遅れた分を差し引いて、三百万で結構です」
「あ、はい」
「もう予めアタッシュケースから引き抜いてありますので構いませんよ」
「そうですか………」
この人、株で失敗して借金が出来たのにまた株をやろうとしてやがる。
言っておくか………
「松永さん。貴方、株で失敗して借金が出来てしまい今まで苦労して来たんですよね? 貴方の奥さんや娘さんにも迷惑を掛けて来たんですから、その取り戻したお金で今まで迷惑を掛けた分のお返しでもしたらどうですか? それにその莫大な金があればお店の再建も出来るでしょう。そういうことをまず先にするべきじゃないんですか。では、失礼します」
俺は言いたいことをいい、店を出た。
中から、松永さんが娘さんに謝っていた。
『………燕、今まですまんかった』
『いいよ、お父。これから頑張ればいいんだから!』
俺達は三百万が入ったバックを担ぎながら、京都の道を歩いていた。
後ろで松永さんの娘さんが声を出した。
「……あの!!」
「まだ何か?」
「助けてくれて有難うございました! 最後にお名前伺ってもよろしいですか?」
「あまり俺には関わらない方が良いので、名前を教えることはちょっと………」
「それでも! 知りたいんです!!」
「………揉め事処理屋の蒼騎 真紅狼だ」
「私はその弟子の柔沢 紅香だ」
「私は『松永 燕』です! じゃ、さよなら」
なんというか、ソツが無い生き方をしそうだなぁ。
今度こそ、帰路に着いた時紅香が一言言ってきた。
「……真紅狼さんにしては優しい言葉でしたね」
「あのオッサン、また株をやりそうな目をしてたからな。それでまた呼び出されてもたまったもんじゃないだろう? 揉め事処理屋を“便利屋”と勘違いされても困るしな。あくまでも“揉め事”を処理するんだよ」
そうして、俺達は川神に帰っていった。
〜真紅狼side out〜
やれやれ、次の依頼は…………っと。
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