無印編
第二十一話 裏 (すずか、アリサ、なのは)
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、サーチャーから送られてくる映像は、翔太の部屋の様子を映し出していた。
チェーンバインドで拘束される使い魔。何かを叫んでいる黒い敵。そして、魔女の連れに捕まる翔太。
「ショウくんっ!!」
飛びながら叫ぶが、それが翔太の部屋に届くはずもない。気だけが早るなのははレイジングハートに命じて、さらに速度を上げる。もうすぐ翔太の家に着くという前にサーチャーの映像は、なのはにとって最悪の場面を映し出した。
翔太の首筋に衝撃がくわえられると、意識を失ったように項垂れ、そのまま、三人の姿が消えてしまう映像だ。
なのはは、この映像を信じたくなかった。まさか、翔太が攫われるなんて。
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ、となのはは繰り返しながら空を飛ぶ。これが夢であればいいのに、とそう願いながら。そう、目が覚めたら自分の隣には、翔太がいて、おはようと自分に笑いかけてくれて、一緒に朝食を食べて、一緒に学校に行くんだ。
だが、翔太の家についたなのはが目の当たりにしたのは、間違えようのない現実だ。
「あ、あ、あああ」
なのはの口から絶望の色がついた声が漏れる。
翔太の家についたなのはが、空いている窓から侵入した寝室で見たもの。それは、虚ろな瞳で倒れこんだ黒い敵。バインドされたままの使い魔。そして、もぬけの殻となってしまったいつも翔太が寝ている布団だけだった。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああああっ!!」
なのはの絶望に染まった絶叫が、ゴールデンウィークの夜空に響くのだった。
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