無印編
第二十一話 裏 (すずか、アリサ、なのは)
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だが、それだけを喜んでもいられない。なぜなら、翔太は、それだけではなく、寂しいと口にしたのだから。
その翔太の言葉からなのはは一つの結論を出した。
つまり、なのはとショウくんの二人だけの世界になるには時期尚早なのだ。もっと、ショウくんがなのはのことを好きになって、親密になって、自分と二人だけになっても寂しくなくなれば、そうすれば、ショウくんだって、なのはと二人だけの世界になってもそんなことをいわなくなるだろう、と。ならば、なのはがやることは簡単だ。もっと、自分がショウくんを好きになればいい。そうすれば、ショウくんはもっと自分を好きになってくれるはずだ。だって、ショウくんは何もない自分と友達になってくれるぐらい優しいんだもん。
なのはと翔太だけの二人だけの世界。それを夢想して、なのはは頬をだらしなく緩ませていた。
そんななのはに翔太の声がかかる。
「さあ、さっさと片付けてしまおう」
おっと、となのはは意識を戻す。どうやら海底についたようで、ジュエルシードを見つけたようだ。今は、まだ時期尚早ということが分かった。ならば、いつか、いつか必ず、と思いながらもなのはは今だけはジュエルシードに集中することにした。
その日の晩、なのはは、ベットにもぐりこんで昼間のように頬を緩ませていた。
今日の昼間の海底調査ですべてのジュエルシードを集め終わった。そのため、明日は簡単なパーティが開かれる。それが終われば、ようやくなのはは翔太と一人占めできる。お邪魔虫は次元の彼方へと行ってしまう。それが嬉しくて、なのはは頬を緩ませていた。
―――あ、明日のパーティは、ショウくんにお料理食べてもらう。
バケモノが翔太に手料理を食べさせているのを見て、なのはは、それを羨ましく思っていた。どこかその行為に負けたような気がして。だから、なのはは、その日の晩から桃子に料理を習っているのだ。桃子は少し驚いたような表情をしていたが、それでもなのはに料理―――卵焼き―――を教えてくれた。最初は、砂糖の入れすぎななどで、焦がしていたが最近は、ようやく綺麗にできるようになっていた。
―――ふふふっ、ショウくん、おいしいって言ってくれるかな?
いや、きっと言ってくれるだろう。彼は優しいから。翔太がなのはの料理を食べて、おいしいといっている姿や声はいくらでもなのはの脳内で妄想できる。だが、所詮、それは妄想に過ぎない。やはり、実際に言ってもらいたいものだ。だから、少しでも明日が早く来るようになのはは、今日はもう眠ろうと思い、部屋の電気を消したところで、不意に魔力を感じた。
いつか感じたことがある魔力。それを感じた瞬間、枕元においていたレイジングハートを手に取り、即座にセットアップ。魔力の反応がある方向に杖先を向ける
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