無印編
第二十一話 後
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に思いついたことだった。
「明日のお昼にちょっとしたパーティーをやるんだけど……アリシアちゃんも来る?」
ジュエルシードを無事に収集し終わった記念の打ち上げのようなものだ。海岸で行うバーベキューがメインで、食材は月村家の人たちが集めてくれるらしい。武装隊の人たちも皆が集まって行うちょっと大規模なものだ。
ただ、確かに全部終わったのだが、一つだけ、気にかかっていることは、アリシアちゃんのお母さんであるプレシアさんのことであるが、ジュエルシードを集めている間、まったく手を出してこなかった。下手をすると最後のジュエルシードのときに手を出してくるのではないか、とドキドキしたが、その襲撃もなかったため、アリシアちゃんを手放した以上、手札がなく諦めたのではないか? というのがリンディさんたちの見方だった。もっとも、気を抜くつもりはまったくなさそうで、すべて揃ったジュエルシードは20個をまとめてアースラのロストロギア専用の保管庫に収納された。その部屋は魔法防御、物理的防御がともに生半可のものでは破れないらしく、リンディさんは自信を持って大丈夫と胸を張っていた。ここはリンディさんを信じるしかないだろう。
僕が悩んでいるのを余所に、アリシアちゃんは、少し考えた後、にぱっ、と太陽のような笑みを浮かべるとと元気に答えてくれた。
「うん、行くっ!」
アリシアちゃんの答えを聞いて、アルフさんが微笑ましいようなものを見るような笑みを浮かべていた。アリシアちゃんの答えを聞いて僕は、安心していた。明日のパーティーには、父さんや母さんたちも呼ばれているのだ。だから、アリシアちゃんだけが残るわけにはいかない。
それに、なのはちゃんと年齢が近いアリシアちゃんを紹介するいい機会だと思ったのだ。すずかちゃんは失敗してしまったが、アリシアちゃんなら、僕の妹というだけで、特に心配がなさそうだった。確かに襲ってきたという過去があるが、それは今のアリシアちゃんではない。そのことさえ、なのはちゃんに言って聞かせれば、アリシアちゃんが僕以外の初めての友人になれる可能性もないわけではないだろう。
「それじゃ、今日はもう寝よう。明日に差し支えるといけないからね」
「うん」
もともと、彼女は眠かったのだろう。僕の言葉に素直に頷くと同時にうとうとと瞼を閉じ始めていた。僕はそれを微笑ましい小動物を見るような気分で見守っていたのだが、不意にアリシアちゃんの向こう側に同じように寝ていたアルフさんの耳がぴくぴくと動くとがばっ! と起き上がって部屋のある一点を睨み始めた。
「どうしたの?」
突然の行動に驚いた僕はアルフさんと同じように身体を起こして聞いてみる。だが、アルフさんは、僕の方向を向くことはなく、警戒するようにある一点を見つめたまま、鋭
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