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リリカルってなんですか?
無印編
第二十一話 前
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けが友人を作る理由ではないことがわかってくれたはずだ。ならば、これからも友人ができる可能性が出てきたといえるだろう。なのはちゃんが自分から友人を作ってくれればいいのだが、それができていれば、友人がいないなんて事態にはならなかっただろう。ならば、手助けしてあげるべきか。だが、どうやって?

 少しだけ頭を回したが、そう簡単に名案なんてものが浮かんでくるはずもなく、僕はすぐに答えを出すことを諦めた。それに、なのはちゃんの友人のことも大切だが、昨日のことを鑑みて、時空管理局への対応も考えなければならない。

 なのはちゃんが、ジュエルシードに手を出してしまったのだ。彼らからしてみれば、それは大変なことに違いないだろう。つまり、なのはちゃんに何かしらの処罰のようなものが下るかもしれない。しかし、なのはちゃんは彼らが言うところの管理外世界の住人だ。彼らの法の範囲内なのかも不明。つまり、詳しいところは、今日の放課後だろう。クロノさんの話もそれに違いないのだから。

 ある程度のことに予想を立てて、大変なことが並んでいるな、と嘆息つきながら僕は教室の扉を開いた。

 教室の中は、いつもどおり、大半の人が来ていた。クラスメイトとおはようと挨拶を交わしながら僕は自分の席を目指す。

「おはよう、アリサちゃん、すずかちゃん」

「おはよう、ショウくん」

「おはよう、ショウ」

 僕は鞄を下ろしながら、すぐ近くの席であるアリサちゃんたちと挨拶を交わす。アリサちゃんとすずかちゃんが話している。それはいつもの光景であり、特段言うべきことは何もない。彼女たちと挨拶を交わした後、僕は自分の席に座り、今日の時間割の教科書を机の中に仕舞う。朝のホームルームが始まるまで、十分ほどの時間。僕は、鞄の中に入れてある文庫本でいつものように時間を潰そうと本を広げようとしたとき、アリサちゃんがすずかちゃんと伴って僕の席に近づいてきた。

「ちょっと、ショウ。話があるんだけど」

「なに?」

 話があるんだけど、と切り出してくるアリサちゃんは珍しい。いつもなら、いきなり話の流れに巻き込むような話をしてくるはずなのに。何か真剣な話なのだろうか、と身構えて読もうとしていた文庫本を机に仕舞いながら、近くの席の椅子を借りて座るアリサちゃんに視線を合わせた。

 しかしながら、真剣な話なのかと思っていたが、視線を合わせたアリサちゃんの顔は笑っており、何か良いことでもあったかのように満面の笑みだった。

「ショウっ! あんたゴールデンウィークは空いてるんでしょう? 温泉に行くわよっ!」

「ごめん、全然話が分からない」

 すぐ間近に迫ったゴールデンウィークに関することなら、まだ分かる。だが、それがどうしてアリサちゃんと温泉へ行くことへと繋がるのだろうか
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