無印編
第二十一話 前
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「飲み物はそこから好きなものを取ってくれ」
先に配られたクロノさんが待っていてくれたのか、空のコップを僕たちに渡しながら指差した先には、ドリンクバーのようなものがあり、そこから適当に飲み物を選べるようだ。その中身は、コーヒーから牛乳、オレンジジュースと多岐に渡っていた。その中から僕はコーヒーを、なのはちゃんはオレンジジュースを選ぶ。ちなみに、クロノさんのトレーの上のコップには牛乳が並々と入っていた。
「それじゃ、席に着こうか」
そういって、クロノさんが案内してくれたのは四人がけの席。しかし、そこには一つの人影があり、先客がいるようだ、と思っていたが、その人影は僕がよくよく見知っている人の影であった。
「恭也さん?」
そういえば、さっき、クロノさんが、恭也さんが先に食堂にいるようなことを口にしていたような気がする。
テーブルの上に置かれたトレーの上にはさすがというべきか、僕たちよりも二倍はあろうかという量の食事が乗っていた。もしかしたら、食堂の人も体格に合わせて料理を盛っていたのかもしれない。
「ショウくんとなのはとクロノくんか。おはよう。なのはは大丈夫か?」
僕の呼びかけに反応して、恭也さんは、フォークを止めて、僕たちのほうへと振り向くと、少し驚いたような表情をして、朝の挨拶をした後、心配そうな顔をして、クロノさんと同じようになのはちゃんを心配していた。恭也さんの問いへのなのはちゃんの答えは、クロノさんと同じだ。うん、と縦に頷くだけだった。
「そうか。それならいいんだ」
安心したようにそう呟くと、ここで食べるんだろう? と自分が座っているところから少しだけ奥にいって、僕たちが座るスペースを空けてくれた。なのはちゃんは、きっと恭也さんの隣に座るだろうと思って、恭也さんとは対面する位置に座った。そして、おそらく、僕の隣にはクロノさんが来るだろう。だが、その予想に反して、僕の隣に座ったのは、なのはちゃんだった。なんで? という意味をこめて、なのはちゃんを見てみるが、その意味が分からなかったのか、なのはちゃんは少し小首をかしげて、ニコッと機嫌がよさそうに笑うだけだった。
どういうことだろう? と半ば、助けを求めるように恭也さんとその隣に座ったクロノさんに視線を向けてみるが、二人とも何もいうことはなく、むしろ、この状況を受け入れ、まるで、暖かいものを見守るように苦笑しているだけだった。
何かを言いたかったが、何を言ってもこの状況が改善される見込みはまったくないので、僕もこの状況を受け入れることにした。僕はなのはちゃんが隣に座ることに対してなんら不都合はないのだから。
手を合わせて、いただきます。僕となのはちゃんは手を合わせて、フォークを持った。地球の―――日本の文化を知
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