五話〜お兄さん、イイ体してるね〜 3月11日修正
[4/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が十全に発揮されているからだ。
俺がこの体になって後天的に身に着けた魔眼。これは端的に言えば俺と目が合った対象の意識を少しだけ誘導することが出来るというものだ。
これで東雲の意識に「門音邦介は信用出来る人物である」と思うようにさせた。
勿論、強力な能力であるが故に扱いは難しく、当初は正にニコポと同じような効力しか発揮せずに大変だったが、なんとか修行を続けることでほとんど完璧に御することは出来た。
というわけで今東雲はほぼ、本音を喋りかけている状態に等しいのだが、これではっきりしたことが一つ。
東雲蒼也は転生者である。
ここで、その言葉を東雲に突き付けてやってもいいがそれじゃ、しらばっくれる可能性もある。……そうだな、こうしたらまず逃れることは出来ないだろう。
(東雲。お前転生者だろ? 魔力漏れてるぞ)
(っな……。リミッターは付いているはず)
驚きのためか、念話が零れ出る。それに過剰なリミッターという明らかに魔導士であることを隠そうとする行動も怪しいからそれも突けば上手く事を運べそうだ。
(それはな……)
「シュークリームの出来上がりだ」
「ありがとうございます。……あの、少しいいですか?」
良い所で、イケメン店員さんがシュークリームを持ってきた。
俺が先程のイケメン店員さんを呼び止めると、その人は笑顔で頷き、先を促してきた。
「なんだい?」
「あそこの……中心で暴れまわっている二人はいつもあんな風なんですか?」
「……そうだね。確か三週間くらい前からずっとずっとあの調子なんだ」
「お店に迷惑じゃないんですか?」
「いや、どうもあの子達が来てからお客がもっと来てくれるようになってね。どうも、あの子達の掛け合いを面白がって見に来る人がいるみたいなんだ」
イケメンさんは苦笑しながら答えたが、どこか様になっている。
しかし、隙が無いね。動きにしても普通の喫茶店の店員にしては無駄がないし……。
筋肉のつき方を服越しからでも分かる程の観察眼は持っていないが、恐らく戦闘向きの体つきをしているのではないだろうか。分かりやすく言えば細マッチョ?
「そうなんですか……」
「君は……」
「……?」
「いや、なにもないよ。それじゃ、ゆっくりとしていってくれ」
イケメンさんは何か言いたげな表情をしたまま接客へと戻っていった。
……ふむ。気づかれただろうか?
念話をルナに繋ぐ。
(ルナ。これはあの人に気づかれただろうか?)
(何が? 特に変な所は見当たらなかったけれど)
(いや。妙に俺の動き、特に左腕あたりを注視していたからこれは何か勘付かれているよ)
(ああ。確かに私もマスターの体を見た時は驚きました。一体何をしたらそんな体になるんですか)
(まあ仕様が無
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ