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儚き運命の罪と罰
第二章「クルセイド編」
第二十一話「魔法外科医」
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る痛いしみる痛いしみるゥゥゥゥゥゥウウウウウ!!!!!」

……さて何故こんな事になってしまっているのかを順序だてて説明しよう。

まず第一にエレギオがやってのけたことを考えて見よう。二人の少年少女の命を救う為燃える森の中を二人を保護する為に自分の強化を最低限にして走りぬけた訳だ。
そんなことをすれば当然全身くまなくこんがりと焼ける。主に火傷と言う方向で。ローストエレギオが出来上がってしまう。そんな料理犬でも食うまい。

そして第二に彼を灼熱地獄から救った友人はあろうことか二つ目の地獄を用意してしまったわけである。対次元世界最高金額賞金首(エレギオ・ツァーライト)専用最終兵器の渾名を持つ少女を連れてきてしまったのだ。そんな見るからに個人メタな名前の兵器、ではなく少女が抜群の効果をメタる対象(エレギオ)に対して引き起こすのは言うまでもあるまい。

最後に全身くまなく焼けたエレギオにその少女が用いた凶器は良く効く、と書いてメッチャ沁みる、と読む液状の塗り薬のビン一本だった。全身こんがりと焼けた人間にそんなものかけたらどうなるか、その答えこそがあの魂を振り絞った絶叫である。或いは断末魔と言っても間違いではないかもしれない。

「我慢してください。あなたのお友達は今刃物で体を切られているんですよ?」

凶器(薬のビン)を片手に透き通るルビーのような髪を腰に届きそうなほど伸ばしている小柄な少女は静かにエレギオを見つめていた。その声も髪と同じく透き通ってるようにさえ思われる。着ているオレンジ色のワンピースと合わさって瑞々しい果実のような印象を見る人に与えている。
だがそんな一見して普通の女の子(普通と言うにはちょっと……いやかなり美人過ぎるかも知れない)な彼女こそが対次元世界最高金額賞金首(エレギオ・ツァーライト)専用最終兵器なのである。世の中分からない物だ。

そしてその惨劇を眺めていた傍観者はただ「うわ、すごいな」とだけ言った。

「全身火傷したのにすごい生命力だなぁ。普通手術台行きだよエレギオさん?」

彼こそがこの少女、対次元世界最高金額賞金首(エレギオ・ツァーライト)専用最終兵器を呼び起こしこの地獄絵図を作り出してしまった悪の親玉。悪の親玉はそのイメージに反していかにもエリートと言った風な何かの組織の制服をきっちり着こなしていた。その彼の傍で空色の髪の毛の六歳くらいの男の子があたふたとうろたえている。唯一この男の子のみがエレギオの身をこの場で案じているのだろう。
エレギオは半泣きになりながら、それでも現状火傷でのダメージとヒリヒリ攻撃によって身動きが取れないエレギオより間違いなく戦力になる友人を見上げた。

「後生だから助けてくれ。頼む。お前の言った『すごい生命力』とやらは今風前の灯なんだ」

「それ
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