第二章「クルセイド編」
第二十一話「魔法外科医」
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うなものを思いつかなかったのかと過去に世に問うたエドワードの象徴とでも言うべきその道具。一瞬だけ見つめて手術を再開する。まるで生まれたときからその作業を毎日行なっていたのかのような正確さでエドワードはその作業を行なった。
「……リンカーコアの破片か。アーム」
「ハイ」
傷つけるない為に最低限の力で破片をつまんで専用の皿に移す。ピースとは言え正真正銘本物のリンカーコア。どんなミスも許されない。僅かにでも傷をつければフェイトの魔道士としての人生に関わる。細心の注意を払いながら手術を進めるエドワードのゴム手袋は既に血で真っ赤に染まっていた。
だがエドワードは気にも留めない。永久機関でも得たかのように針の穴に糸を通すような作業……しかも代償は人の命……を進めていく。
「よし」
やがて一つのピンポン玉状のボールが専用の皿の上にはでき上がった。それをこれまた細心の注意を払いながら縫い合わせる。無論リンカーコアの破片を組み立てたのだ。
「できた」
やがてリンカーコアは本来の金色の輝きをとりもした。それを再び体内に戻していく。
魔力回路と体の神経の同調はリンカーコアという魔力の塊が魔力回路と言うチューブを思い切り膨らまされることによって発生する現象である事を考慮すれば、解決する問題だった。
「後は仕上げだけだな。針と糸」
「ハイ」
僅か一分で何事も無かったのかのようにフェイトの傷口の縫合を終えて、タオルをかけてやった。これで一先ず終了しただろうと思って次なる患者に向かって歩いていく。
「あ、ああ」
「良い、お前が何を言いたいのかはわかる」
赤ん坊のような声しか出せないリオンに本の少しだけエドワードは苦笑を漏らした。
「こんな手術なんて、受けたこと無いんだろ?
でも心配するな。俺に任せとけ」
エドワードは再びメスを握る。
−−−−−−−−
一方、燃える火の中から子供一人と小柄とはいえ大人の男に分類できる人間を担いで背負って走ると言う映画スターも真っ青インド人もビックリ! な真似をしたエレギオは手術室の外で手を合わせて助け出した二人の無事を祈っている……
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
……と言う訳ではなく凄まじい悲鳴をあげていた。
「痛いしみる痛いしみる痛いしみる痛いしみ
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