手合せ
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「………ぐっ」
「ちょっとばっかし、気が抜けてんじゃねぇだろうなぁ? お前は俺に対して『本気で行け』と言ったが、お前こそ本気で行かなければ、一方的な試合になるぜ?」
「いいだろう。これから、本番だ」
頭を揺らされているキムはどうにか立ち上がり、その後、再び消えた。
またさっきと同じか………と、思ったが、今度はさっきのとは違った。
加速時の波動音が均等に聞こえてきたのである。
パパパ………パンッ!
ガンッ・・・!
「がっ!? ごっ、ぐえ!!」
気配を読むことを忘れていた俺は、一撃目が当たってから防御の姿勢も取ることが出来ずに、連撃の嵐を食らった。
「……どうだ、蒼騎。なかなか効いただろう?」
「おー、痛ってぇ痛ってぇ。なかなか効いたが、軽いな」
「……鬼の体は伊達じゃないってか?」
「もう少し楽しみたいが、これは軽い手合せだから終わらせるか」
「蒼騎に出来るかな?」
「やってやるよ」
お互い、立ち上がり構えた。
キムは薙刀を低く構え、俺はぶらりと両腕を下げている。
緊張が高まり、観客も自然と静かになっていく。
そして………………
カランッ・・・・・・・
なにかが落ちる音が聞こえた瞬間、俺達は同時に出た。
俺は肘打ちを叩き込んだ後、“チェーンドライブ”を叩き込もうと思ったが、キムの攻撃の方が早く、すでに薙刀を振りおろしていた。
ガキィッ!
キムの攻撃は虚しくも地面にぶつかり、俺は身を捻りながら避けることに成功した。
そしてキムが薙刀を引き戻そうとしたので、俺は柄の部分をおもいっきり踏んだ。
ドン………!!
「し、しまtt………「遅ぇ」……くそ!!」
踏みつけた薙刀から脚を離して、すぐにキムの腹に肘打ちを叩き込んだ。
「オラァ!!」
「………ぐぅ!!」
「オラオラオラオラオラァ…………でやっ!!」
ドカッ、バキキキ………………ドゴンッ!!
顎を振り抜かずに後ろに下がり、炎を纏った右手を前にかざして高速で突進した。
「………………そらよ」
ゴォア!!
「…………か………はっ………………」
爆発の中から、キムが吹き飛ばされながら出てきた。
キムは立ち上がろうとしたが、手に上手く力が入らないのか、立ち上がることが出来ず、そのまま動かなくなった。
「ま、こんなもんかな?」
キムが倒れてから、数秒で喧しくなった。
「きゃあああ、キム先生大丈夫ですか!?」
「ちょっと、アンタ! やりすぎよ!!」
「最低ー!」
……………ウゼェ。
実にウゼェ。
合意の元の手合せだったのによ、な
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