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第七話 疾風の槍兵
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えが止まらなかった。
今まで感じたことのないような死の恐怖。
私は思った。

殺されると。

今、私はキリトやセイバーさんの後ろに隠れている。
セイバーさんは必死で目の前の敵に立ち向かい、キリトも私が巻き込まれないように守ってくれている。

だけど、セイバーさんが吹き飛ばされ、同じように私の目の前からキリトが蹴り飛ばされた。

怖い

それが今の私の率直な感想。

目の前の敵は明らかに私とは違う。

“死”そのもの。

このままではキリトもセイバーさんもあの“死”に呑み込まれてしまう。

男に吹き飛ばされたキリトは、必死に私に目を向けて何かを私に伝えた。
口だけが動いて、なんて言ってるのかは聞き取れなかった。
だけど口の動きだけで何とか理解しようとした。

『逃げろ、後ごめん』

そう読み取れた。

私はまだ彼らに伝えていない。
彼らに感謝の言葉を。

この場では場違いかもしれない。
だけど、今伝えなくちゃいけないような気がした。

助けなくちゃ。

「安心せい、痛みは一瞬」

男の声が響く。

まだ死んではいけない。
死なせてはいけない。
生きなくちゃいけない。
生かさなくちゃいけない。


絶対に生き残る!!


“それが君の望みか”

頭の底からそんな声が聞こえた気がした。

“生きて彼らに思いを伝える、それが君の望みなのだな”

…そう、私はまだ生きたい、そして思いを伝えたい。

“君は彼らと生きたいのだな”

…そうかもしれない、私は彼らと生きたい。

“君の望みは彼らに思いを伝え、そして生きることか。単純な願いだがこの場でそれを叶えるのは難しい。ならば私から君に一つ贈り物をしよう”

…え?

“生かすも殺すも君次第、受け取るがいい”

その瞬間、私の左手から激痛が奔った。

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「な…に…?」

そんな言葉が思わず口から洩れる。
部屋中に突風が吹いた。
風は部屋中を駆け巡り、俺はその場にうつ伏せたまま留まるのがやっとだ。

思わず風の吹いている方向へと目を向ける。
そこにはサチが居た。
サチは痛みに耐えるように必死で左手の甲を抑えつけていた。

その隙間から、紅い、血のような光が滲み出ていた。

体は動かない。
先ほどのアサシンの攻撃と緊張で言う事を聞かない。
風が吹きやみ始めると、それと同時に強い光が辺りを包む。

「ぐっ…!」
「む…!」

近くでセイバーとアサシンの怯んだ声が聞こえる。
それほど光は輝いていた。

光が収まり始めると、サチの前に人影が浮かび始めた。

「ったく、随分と乱暴な召喚だな」

あまりにも乱
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