第三話 武器と雪辱
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きる。形だけじゃなく色や質量や硬度もだ。ある時は鞭のように柔らかくしなやかに、ある時はトンファーにして硬度を高めてぶん殴る。またある時は切れ味抜群の刀に。
中々というか、かなり便利な一品だがこれが意外と難しい。まず思うようにその形や硬度にするのに結構時間がかかる。そして俺がその武器を使いこなせていないというのが一番の欠点。
ヤシの実のように木に実っているものを鞭を使って華麗に取ろうとしても鞭など扱ったことがなく失敗。トンファーや刀なども使えるには使えたが生身で戦ったほうがよかったと思える場面も幾度もあった。つまり修行中ということだ。
今のところタイマンでは己の肉体のみで、複数で襲われたときには槍にして振り回しながら戦うのが良いと思っている。その槍に電気を纏わせることも可能だったが燃費が悪く、すぐ電池切れになる。この世界の肉体はかなりハイスペックなこともあり下手に武器を使うより肉弾戦のほうがいいのだ。慣れてるしね。
そうそう、それとこの黄金棒に名前をつけてあげることにした。いつまでも黄金の棒じゃ可哀想というか、ダセェし。その名も
―――愚神礼(雷)賛(シームレスバイアス)
神への皮肉とパクリだ。礼賛でも雷賛でも書き方はどっちでもいいよね。読み方は一緒だし。まぁ戯言だけど。
あとは泉に映ったとき分かったことだが前世の時と顔つきが変わっていなかったことも少し嬉しかった。何というかどうせなら美形にして欲しかったとは自然と思わなかった。感覚的な問題なので明確な理由は分からないけど。意外と前世に未練があるのかもしれない。
ただ髪の色が黒から白に近い銀髪になっていたのには驚いた。瞳の色も真っ赤だったし。ただ自分でいうのもなんだけど自然な感じだった。もっとコスプレっぽくなるかと思ったが意外と大丈夫そうだ。
年齢はよく分からないが十歳前後といったところだ。ただこの二週間であのプニプニだった手が大分固くなってきているのは嬉しい……ような悲しいような。
この二週間での出来事と発見はこのくらいかな。
さて、話は変わるが今日は一大イベントなのだ。そろそろ捕獲レベルを上げてもいいと思う。一週間ごとに捕獲レベルを上げていっているのだが今のところ捕獲レベル2が俺の最高記録だ。よって今日はランク3を目指す。
そうなると俺の頭の中には自然と奴の顔が思い浮かんだ。
――バロンタイガー
俺が初日にビビリまくっていたあいつだ。手帳を見るに肉は固くて美味くはないが、牙や体毛が高額で売れるらしい。勿論売るあてなどないし、下手したらここは無人島だ。最初はバロンタイガーはバロン諸島にいると記載されていたため、ここがバロン諸島かとも思っていたのだが何故かピンとこない、いやビリッとこない。
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