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スーパーヒーロー戦記
第42話 偉大な勇者
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立派な男性であった。

「お父さん…お爺ちゃん…もう間も無く新たな敵の総攻撃が始まります。ですが、マジンガーZは深く傷ついています。仲間達は皆倒れ、戦えるのは僕一人になってしまいました」

 まるで懺悔でもするかの様に甲児は写真に向かい淡々と語り続けた。

「正直言って…僕は戦うのが怖い…でも、僕は戦わないといけません! 例え死ぬ事になったとしても、僕は戦いに向います。幼いシローや、生死の境を彷徨ってるなのはを残して逝く事を…許して下さい」

 静かにそう言い、甲児は本を閉じる。そして、静かに肩を震わせていた。その後姿を静かに、そっとさやかは見つめていた。その目にはうっすらと涙が滲んでいた。




     ***




 太平洋上を飛行し、謎のロボット軍団が押し寄せていた。

「マジンガーZは深く傷ついている。今こそ奴を倒し、地上人を皆殺しにし、我等ミケーネ人の頭上に太陽の輝きを取り戻すのだ!」

 先頭を飛び走る獣魔将軍が叫ぶ。それを聞き、大勢のロボット軍団が雄叫びをあげる。
 今、死神が鎌を持って鉄の巨人を切り殺そうと日本目掛けて飛んできていたのだ。
 だが、それに対しマジンガーZは深く傷ついたままであった。




     ***




 パイロットスーツを身に纏った甲児。彼の目にもう迷いはなかった。今戦えるのが自分一人だと言うのなら、最期の最期まで戦い抜くのみ。その覚悟で居たのだ。

「そうだ、せめてアイツの所に行くか…」

 そう言って甲児がやってきたのは、なのはの眠っている医務室だった。扉を開けると、其処には未だに眠ったままのなのはが居た。生死の境を彷徨い、必死に死神と戦ってるなのは。そんななのはの手をそっと甲児は握り締めた。

「なのは…お前は俺の事をお兄ちゃんと呼んでくれた。俺もお前の事は妹みたいに思ってたよ……」

 強くなのはの手を握り締める。微かに彼女の手の温もりが伝わってくる。何時しか、甲児は目一杯から涙を流していた。

「……なのは、大人になっても、俺みたいな馬鹿な奴を彼氏に持つんじゃねぇぞ……あばよ。元気でな」

 そう告げ、甲児は医務室を出た。もう思い残す事はない。甲児はそそくさとマジンガーZの待つ格納庫へと向う。

「待ち給え甲児君!」

 そんな甲児を止める。弓教授であった。弓教授が甲児の肩を掴んで止める。

「出動させて下さい。俺が行かなければ日本は終わりになってしまうんです!」
「マジンガーZの修理はまだ終わってない! その状態で行けば、確実に君は死ぬ事になるんだぞ!」
「覚悟は出来てます。今俺が戦わなければ、この地球は奴等の物になってしまうんです! 戦って、戦って、それでも勝てない時は…マジンガーZと共
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