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スーパーヒーロー戦記
第42話 偉大な勇者
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「な、何卒お許しを!」

 ゴーゴン大公が深く頭を下げる。それに対し暗黒大将軍は静かに立ち上がり歩み始める。

「余に逆らうとは小癪な! 我等七つの軍団は無敵なのだ! 今からそのロボットをミケーネ帝国地上侵略の生贄とする! 出でよ、獣魔将軍!」
「お呼びで御座いましょうか?」

 通路の奥から現れたのは不気味な姿をした怪物が居た。
 全身に七つの軍団の特徴が取り付けられた怪物であった。

「獣魔将軍。貴様を司令長官に任命する! 直ちに日本に赴きそのマジンガーZを倒し、人間達を皆殺しにして我等ミケーネ人の頭上に太陽の輝きを取り戻すのだ!」
「はっ、直ちに日本へ向います!」




     ***




 地球の危機の知らせは彼等時空管理局にも伝わっていた。しかし、彼等は地球には来なかった。嫌、来られなかった。

「何故ですか? 何故地球に増援を送って下さらないのですか?」

 リンディは机を叩き目の前に居る高官達を睨む。それに対し、高官達は難しい顔をしていた。

「何度も言うがねぇリンディ艦長。彼等の狙いは地球だけだ。我等時空管理局としては辺境の惑星一つの為に貴重な戦力を割く訳にはいかんのだよ」

 高官達の答えは余りにも冷たい言葉であった。
 辺境の惑星。彼等時空管理局からしてみれば地球などそう呼べるのだろう。
 第97管理惑星。それが彼等の言う地球なのだろう。
 そして、彼等からしてみれば地球のみを狙う奴等相手に貴重な戦力を使う訳にはいかない。それが返答であった。

「……失礼します」

 リンディは強い失望感を胸に抱いたまま部屋を後にした。今、地球では大変な事態になっているのは明白だ。かつて共に戦った仲間達が今危機に晒されている。しかし、今の自分達はそれを助ける事が出来ない。
 それがとても歯痒く思えたのだ。
 重い足取りのままリンディがやってきたのは、修理中のアースラの艦内であった。

「艦長、どうでした?」
「駄目、皆辺境の惑星には戦力を出せないの一点張りだったわ」
「そうですか…」

 オペレーターのエイミィはそれを聞いた途端激しく落胆した。今のアースラは緊急修理中である。どんなに早くても後1週間は動けない。それが、今のアースラの、そして時空管理局の現状でもあった。




     ***




 甲児は一人ある部屋に来ていた。それは、かつて甲児の部屋だった場所だ。今では廃墟と化してしまい見る影もない。
 その部屋の中にある自分のデスクに座り、甲児は引き出しを開けた。其処にあったのは一冊の分厚い本であった。
 それを取り出して開く。その中には二枚の写真が映っていた。
 一枚は甲児の祖父である兜十蔵。もう一人は黒い髪に髭を生やした
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