第一話 神隠し
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く音が聞こえそこから頭を抱えた一人の男性が現れた。奇遇だね、俺も今頭を抱えたい気持ちでいっぱいだよ。というかそこにドアなんてなかったよな。いきなりドアが出現したぞ。どこの念能力者だよ……あっ俺もか。
「こんにちは」
「ども、こんちわ」
ドアから現れた男性はまたも何もなかったはずの空間からソファーを出現させ、さも当然といったようにそのソファーに座った。ツッコミどころ満載だが、俺に理解できるわけもないので大人しくしておく。
そんな俺に男の人は苦笑いしながらも、何故か納得しているように見えた。
見た目はどこにでもいるようなごく普通の三十代程の男性。スーツが似合ってるぜ。
「いやはや、何とも落ち着かれていますね。それともここに来る人は皆こんな感じなのでしょうか」
「あれ? 俺以外にも誰か来たんですか?」
「えぇ、つい最近ね。その人も大分落ち着いていましたよ」
「俺は思考が追いつかなすぎてボーっとしてただけなんですけどね」
「それでも十分ご立派ですよ。取り乱さないだけで私も仕事が楽ですからね。さて、ではあなたが今知りたいであろうことを説明をさせていただきます」
対面に座っている男性が指をパチッと鳴らすと透明なガラスのテーブルが出現し、その上にはコーヒーが置かれていた。もう動じないぞ。心臓はバクバクだけど。早速そのコーヒーをいただくと市販で売られてい物とは別次元の香ばしい香りが俺の鼻を満足させ、程よい苦味が心を落ち着かせてくれた。うまっ!
「今起こっている現象は神隠しと呼ばれるものです。と言ってもあなたが想像しているものとは少し異なります」
神隠しって何だっけ。確か子供が消えちゃうやつだっけか。うん、たぶんそんな感じだった気がする。千尋ちゃんも神隠しあってたし。
「本来私たちが言うところの神隠しとは、その世界に合っていない魂をこの部屋に呼び戻し転生させるシステムのこと指します。合っていない、本来そこの世界に誕生するべきではない魂は何かしらの特殊能力や異常な身体能力の高さを持ちます。性格もその世界では変わった人が多いですね。これはあなたがいた世界ではなく異なる世界に生まれるはずだった魂が間違ってその世界に生まれてしまったことが原因です」
「特殊能力……なるへそ。俺は電気ってわけか」
「そのとおりです。正確には落雷を受けても無事だったあなたにシステムが反応したのですが。恐らく落雷を受けたことによる影響で覚醒してしまったんでしょうね。ただそれにしてもいくら電気能力者とはいえその世界の肉体が無事だったのは謎ですが」
「ふ〜ん……で、俺は結局の所どうなるん? 本来いるはずだった世界に帰るわけ?」
「いえ、また別の世界に行ってもらいます。本来いるはずだった世界はあな
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