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蒼き夢の果てに
第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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焼きガリア風と言う料理が出来上がるだけです。

 おっと、イカン。思考が、何処か別の世界に飛んで行くトコロでした。無理矢理、軌道修正っと。
 それに、そんな冗談は何処かに放り出して、この任務を解決する方が先ですから。
 そうしたら……。

「えっと、な。一応、俺としてのこの案件の解決方法の説明をしたいんやけど、聞いて貰えるかいな」

 俺の問い掛けに、普段通りの透明な表情で首肯くタバサ。ここまでは、別段、不満げな雰囲気は有りません。

「先ず、俺の解決策は、ハルファスに香木の調達を頼み、その代金として、ノームに宝石や貴金属の収集を依頼。同時に、ハゲンチに錬金術で貴金属の錬成も依頼する。
 この方法ならば、間違いなく、二日も有れば祭壇を築く程度の香木は集められると思う」

 その間、タバサは学院に帰って、今まで通りの学生生活を営めば良い。
 但し、これは……。

 案の定、俺のその意見は、ふるふると首を横に振ったタバサに因って否定される。
 そして、

「この任務は、わたしに与えられた任務で有り、貴方一人で行うべき仕事では無い」

 タバサが、普段通りの口調でそう答えた。その仕草、及び雰囲気は普段通り、静謐そのもの。この程度の問い掛けでは、彼女の心を揺らす事は出来ないと言う事ですか。

 それに、彼女の言い分にも一理有ります。
 当然、反論する余地は有りますが、何もかも俺が出来るからと言って過保護にして仕舞うのも問題が有りますし、それでは、彼女は相棒と言う関係では無くなります。

 そもそも、これは過保護と言うよりは、面倒だから全部俺がやって仕舞います。と言うレベルのやり方で有って、決してタバサの為を思っての事ではないですから。

「だったら、タバサの解決方法が有ると言う事やな」

 そう聞く俺。おっとイカン。その前に、聞いて置くべき事が有りましたか。

「一応、そのタバサの解決方法を聞く前に、その香木と言う物について聞いて置くか。
 そもそも、その香木と言う物をタバサは知っているのか?」

 もっとも、その香木が何であるのかを知っていたら、野生の状態で、このヨーロッパ……つまり、ハルケギニア大陸に存在している可能性は限りなくゼロに近い事も知っているはずなのですが。

 タバサは、俺の質問にひとつ首肯く事によって肯定を示す。そして、

「森の妖精に対して質問を行い、彼女から詳細は聞いている。少なくとも、このハルケギニア大陸で、その香木が野生で群生している場所は、彼女が知っている範囲ではない」

 成るほど。ただ漫然と、俺と導く者の交渉を見つめていた訳ではないと言う事ですか。
 ならば、タバサが示す次善の策と言う物が、俺が持っている次善の策と同一の物で有る可能性が高いとは思います
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