第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
[4/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
う思い、導く者との会話の終わった俺が、タバサを見つめる。これは、問い掛け。
タバサが、その俺の視線に対して、小さく首肯いて答える。これは了承。
ならば、
「判りました。無事に祭壇用の香木を手に入れて見せましょう」
……と、導く者に答える俺でした。
……って言うか、結局、俺の方がメインで交渉をやらされた様な気がするのですが。
☆★☆★☆
さてと、そうしたら、次は我が蒼き姫君の説得なのですけど……。
これは無理かも知れないな。
おっと、その前に……。
「先ず、今回の任務に関してなんやけど……。俺は、単純な極楽鳥の雛の護衛などではないと思っているんやけど、タバサはどう思っているんや?」
この再生の儀式が行われるらしい場所に辿りついてから、俺と導く者と呼ばれている炎の精霊王か、それとも、この火山を擬人化した姿なのかは判らないのですが、その正体不明の少女とのやり取りをただ見つめるのみで、一切、口を出して来る事の無かった蒼き姫に話しを振る。
それに、そもそもが、そのオーストラリアや東南アジアなどの熱帯域に生息しているはずの極楽鳥が、こんな山に住んで居ると言う事自体が不思議だったんですよね、最初から。
ここでは、餌の確保さえ容易ではないでしょう。まして、その雛の護衛に祭壇などを必要とする訳が有りません。
俺の問いに、コクリとひとつ首肯くタバサ。そして、
「わたしも、極楽鳥については、文献でのみ目にした事が有る程度の知識しかない。そして、その極楽鳥がガリアに生息していると言う話は聞いた事が無かった」
……と、そう続ける。
成るほど。文献に極楽鳥の記述が有ると言う事は、少なくとも、エルフの地経由で、極楽鳥……つまり、風鳥の話は入って来ていると言う事ですか。
「そのタバサの知っている極楽鳥と言うのは、美しい羽を持っている脚が無い鳥で、常に宙を漂い、天の露を食すると言う風に記述されていなかったか?」
引き続き為される俺の問いに、コクリと首肯くタバサ。
成るほど。大航海時代は未だ訪れていないみたいですけど、エルフの地を経由して情報ぐらいは伝わって来ていると言う事ですか。
但し、これは間違った知識なのですが。
「せやけど、今回の任務に関わって来ている鳥は、厳密に言うと、そんな鳥やない。
西洋で言うなら、不死鳥。フェニックス。東洋風に表現するなら、朱雀と言う鳥の事やと思う」
いや、おそらくは、フェニックスの方で間違いない。
何故ならば、あの導く者と言う存在との会話の中で、俺が想像していた鳥は、極楽鳥などでは無く、フェニックスの方です。
そもそも、極楽鳥が香木で築かれた祭壇に火を放って、その中に自ら飛び込んだとしたら、極楽鳥の香木
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ