第2章 真の貴族
第17話 湖畔にて
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、そうとばかりも言い切れないか。ある意味、雛を護ると言えば、護る事にも成りますか。再生した直後の若鳥を指して、雛と表現したとするのなら。……と、まったく別の答えに辿り着く俺。
まして、ガリア王家からの命令は、極楽鳥の巣を護れ、ではなく、極楽鳥の雛を護れでしたから。雛が居るのなら巣が有るはずだ、と思ったのは俺の頭で有って、タバサはそんな事は一言も言っていませんでしたね。
それに、今までこの仕事をガリアで行って来た可能性の高い家系のジョルジュが接触を取って来た夜に届いた指令の内容と言う事は、これも俺の能力を試していると言う事なのでしょうかね。
今度は、ガリア王家、もしくは、タバサに指令を発している人物が。
「彼がこの地を訪れるのは、今から十日の後。それまでに、祭壇を組み上げて置けば問題ない」
それまでとまったく変わる事のない、導く者の対応。タバサと似て居なくもないですか。
どちらも素っ気なくて、用件のみの非常に事務的な口調。まして、表情にも、そして口調にも全く揺らぎと言う部分を感じさせる事はない。
但し、この導く者からは、タバサよりも更に大きな、故意に平静な雰囲気を装っている者特有のある種の力みに似た気を発する事が存在する、と言うぐらいの違いが有りますかね。
しかし、成るほど。これは、その香木製の祭壇を組み上げるまでには結構、余裕が有るみたいですね。もっとも、俺的には、ですけどね。
流石に普通人ならば、祭壇を組むほどの香木を十日で準備するのは難しいはずですから。
長い時間を掛けて準備していない限りは。
「そうしたら、今度の再生は、一体、何百年ぶりの再生に成るのですか?」
更に、普通に考えるのならば、これも聞いて置くべきでしょう。
それに、これを聞いて置けば、この任務が極楽鳥の雛の護衛などでは無く、あの霊鳥の再生に関わる任務と言う事に成ります。
しかし、このガリアと言う国は、首都の南に、赤と火に関係する場所が有って、そこの山脈に西洋版の朱雀が再生する場所が有ると言う事ですか。
この近辺で一番大きな国で有るのは理解出来ますね。
「今から約300年前に前回の再生が行われた。
しかし、彼に取っては、この時が一番危険な時」
導く者が簡単に答えた。それにしても流石に、あの霊鳥。世紀単位での儀式と言う訳ですか。
それに、話は大体理解出来ました。確かに、あの霊鳥は永遠の生命に関わる存在。情報が洩れたとしたら、妙な野心に駆られた連中が現れないとも限らないと言う事です。
折角、祭祀的に言うと、ガリアに取って非常に有利な場所で、紅い霊鳥の再生の儀式が行われるのです。国家の繁栄や、民の安寧を願うのならば、この再生の儀式を他者に邪魔させる訳には行きません。
そ
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