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スーパーヒーロー戦記
第37話 救い、そして・・・
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のはとフェイトは互いに再会を約束しあった。その証として、互いの髪を結んでいたリボンを交換しあった。その仕草を見てアルフが号泣していたのは記憶に新しい。
 それから、クロノ、ユーノ、アルフ、フェイトの四人はアースラの転送魔法により地球から去って行った。
 ゲッターチームもまた平和になった事により本来の宇宙開発に向けてのゲッター線研究を行う事となり、本郷と一文字はショッカーの残党処理を行う事となり、甲児達もまた、元の生活に戻っていく事となった。
 そして、なのはは…




     ***




「ただいまぁ」

 家に帰ってくるなり両親のきつい抱擁が出迎えてくれた。暫く家を空けていた為に皆心配していたのだ。その後は盛大なお帰りパーティーが開かれ、家族と楽しい時間を過ごした。
 やがて、時間は夜となり、なのはは自分の部屋で久しぶりの開放感を感じた。
 そして、同時になのはの顔色が暗くなっていった。

【どうしました? マスター】
「レイジングハート…私、あの時皆を傷つけたって…本当なの?」

 なのはは覚えていたのだ。あの時、時の庭園での闘いの際、なのはの心は赤い光に支配され、只破壊の悪魔となり目の前に見える物を全て壊そうと暴れまわっていた。
 皆はなのはの事を気遣い言わなかったが、なのはは微かに覚えていたのだ。今でも手に残る感触。それは大事な人を殴り殺そうとした感触が未だに生々しく残っている。
 その感触がなのはの心の中に深い傷として残ってしまったのだ。

【マスターは悪くありません。あれは仕方なかったのです】
「仕方ないで良いの? 私はあの時皆を傷つけた……あんなに優しい皆を私は――」

 震える肩を両手で押さえながらなのはは蹲りだす。ふと、かつて光の中で出会った女性の言葉が思い出される。

『貴方の中に眠る光は、時として貴方に牙を剥くでしょう。光は決して善ではないのです』

「何で? 何で私の中にはこんな恐ろしい力があるの? 嫌だよ。こんな力要らないよ! 誰かを傷つける力なら……私はそんな力要らない! 欲しくない!」
【マスター――】

 レイジングハートは何も言えなかった。あの時の赤い光はなのはの心を深く傷つけてしまった。なのはの心には恐らく一生消えない傷が出来ただろう。
 それは、幼い少女が背負うには余りにも深い傷であった。

「レイジングハート……私、自分が怖いよ……また何時自分が大切な人を傷つけてしまうかと思うと……凄く怖いよ」
【……】
「ねぇ、魔法もそうなの? 魔法も人を傷つける物なの?」
【それは使い手によります。ですが、マスターはそれで多くの人を救ってきた筈です】
「でも、それと同じ位に多くの物を傷つけてきた。私怖いよ! もう誰も傷つけたくない! 傷つ
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