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スーパーヒーロー戦記
第37話 救い、そして・・・
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なのはぁ…」

 とても子供の力とは思えなかった。それ程の凄まじい力がフェイトの首を伝い伝わってくる。目の前に居るのは怒りに支配されたなのは。そのなのはが自分を粉々にしようと拳を硬く握り締めている。

「フェ、フェイトォ!」
「に、逃げろフェイト! もう今のなのはは何を言っても駄目だ!」

 皆が叫ぶ。助けに行きたい所だが、既に限界に達していたのか満足に動く事すら出来ない。只、目の前で起こり得る惨劇を見守る事しか出来ない。
 そんな皆が見てる中、遂になのはがフェイトに向い眩く光る拳を放ってきた。

「なのは……お願い、目を覚まして!なのはぁぁぁぁぁぁぁ!」

 最後に力一杯叫んだ。その直後、凄まじい衝撃が伝わってくる。
 同時にその影響で砂煙が舞い上がり二人を覆い隠していく。誰もが固唾を呑んで砂煙が晴れるのを見ていた。
 やがて、砂煙が晴れた後、其処にはなのはとフェイトの二人が居た。フェイトに放った拳はフェイトの顔のすぐ横の地面を殴っていた。
 どうやら外れてくれた様だ。そして、なのはの体を覆っていた赤い光は薄くなっており、徐々に輝きが薄れだし、やがて消え去ってしまった。
 暫く、なのはは微動だにしなかった。皆が緊張の眼差しで見守る中、糸の切れた人形の様にその場に倒れこんでしまった。
 そして、それとは対照的に起き上がるフェイト。どうやら無事に納まったようだ。

「フェ、フェイト…大丈夫かぃ?」
「うん……大丈夫」

 荒い息を必死で整えながらもフェイトは頷く。そっと立ち上がったフェイトの前では先ほどまで狂ったように暴れまわっていたなのはが静かに倒れたままとなっていた。どうやら暴走は収まったようだ。

「お、終わったんだな…」

 ふと、甲児が呟いた。皆酷くボロボロの状態ではあったが、どうにか無事に闘いは終わったのだ。
 そう思わせるには充分な状況でもあった。すると、皆の体にドッと疲れが圧し掛かってきた。
 これだけ緊迫した状況だったのだ。相等疲労してしまったのだろう。

「皆、立てるか?」
「す、すみません…駄目みたい…です」

 ヨロヨロと立ち上がる本郷に対し、皆が首を横に振る。相等までにダメージが蓄積されているのだろう。これでは歩いて帰るのは無理そうだ。その直後、激しい振動が時の庭園全体に伝わってきた。主を失い、動力炉も破損した時の庭園に待っているのは自壊だけであった。

「不味いぞ本郷。この時の庭園、もうすぐ崩れるぞ!」
「いかん、すぐに脱出するんだ!」

 そうは言うものの、もう誰も一歩も動けない状況化である。とても脱出など出来そうにない。
 そんな時、一同の前に突如リンディ艦長が転移してきた。どうやら時の庭園が機能を停止した為に転移魔法が使えるようになったのだろう。背中
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