第36話 紅い光
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本郷と一文字の二人の前には6体の仮面ライダーが揃っていた。その姿は間違いなく仮面ライダーその物だ。
唯一違うとすればマフラーの色がそれぞれ違う事だ。
「黄色に紫に緑に白に青に桃色たぁ…悪趣味な色を揃えたもんだぜ」
「油断するな一文字……こいつらは今までの怪人とは違うみたいだぞ」
身構える本郷を前に回りに居た6体の仮面ライダーが皆揃って笑い出した。
「その通りだ、本郷猛! そして一文字隼人! 我等はショッカーの科学力の粋を集めて作られた最高傑作! その名もショッカーライダーだ!」
「要するにパチモンって事だろ? 奴さんも相等苦しいんだな」
「あぁ、即ちショッカー打倒も近いと言う事になる」
二人にとってそれは悲願でもある。自分の体を人でない物に作り変えた憎き相手。その相手の壊滅が近いと聞けば自ずと力がわいてくるのが分かる。
【馬鹿め、ショッカーが壊滅する事などあり得ん! お前達はこの地で朽ち果てるのだ!】
「何? まだショッカーライダーが居たのか?」
再び上を向く。其処に居たのはショッカーライダーではなかった。その姿を一言で表すなら、古代エジプトのツタンカーメンを思わせる姿である。
その上にマントを羽織りこちらを見下ろしている。
「なんだなんだぁ、ピラミッドの中からこんにちわってかぁ? ミイラは大人しく寝てろってんだよ!」
「フン、その生意気な口は相変わらずだなぁ。私こそショッカー大幹部、地獄大使よ!」
「お前が大幹部か? ならば此処で貴様を倒す!」
「出来るかな? イカデビルを倒した位で調子に乗るなよ仮面ライダー!」
笑いながら降りてきた地獄大使。その周囲を守るように6体のショッカーライダーが集まる。
「フフフ、仮面ライダー! 冥土の土産に教えてやろう。我等ショッカーライダーの個々の能力は貴様等とほぼ同等。それが6体も居るのだ。貴様等に万に一つの勝ち目はない!」
「あっそう、だけどなぁ…大概の偽者はそう言うんだよ。だったらこっちもお決まりの台詞を言わせて貰うぜ。本物の実力ってのをたっぷりと見せてやるよ」
一文字が腕を振り上げて構える。
「見せてやる、本当の仮面ライダーの力を!」
同じく本郷もまた腕を振り上げて構える。構えた腕を動かしてそれぞれの決まった型を取り叫ぶ。
「変身!」
二人の腰辺りに風車の付いたベルトが姿を現す。その風車が高速で回転しだし、体中にパワーを送る。そのパワーを全身に漲らせて二人は空高くジャンプした。忽ち二人の姿が変わっていく。6体のショッカーライダーと同じ仮面ライダーの姿になったのだ。
「その姿になるのを待っていたぞ! 殺れ、ショッカーライダーよ。ショッカーに逆らう愚かな裏切り者を抹殺しろ! 破壊しろ!」
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