第62話 呉にゆかりの者達
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びこり母のことが心配でございましたがこの魯子敬安心いたしました。この私の真名は渚にございます」
彼女は私の申し出を喜んで受け入れました。
「茶番ですな」
周瑜は私と魯粛に文句を言ってきました。
茶番なのはいちいち言われずとも分かっています。
渚の望みを叶えただけです。
だいたい、本来なら茶番と言ったあなたが私の立位置でしょうが・・・・・・。
「周公瑾殿、手厳しいな。さてと呂子明、周幼平。お前達は私に士官してくれるのか?」
周瑜の言葉を軽く受け流し呂蒙、周泰に声を掛けました。
「ああ、あの!私のような者でいいのでしょうか?私は『阿蒙』と呼ばれる位に頭が悪いです。劉正礼様のお役に立つとはとても思えません」
「ならば勉強をすれば良いだろう。お前の周囲にはお前を理解できる者がいないから『阿蒙』などと言うのだ。それにお前は武の方はなかなかと聞いているぞ」
私は自身無さげな呂蒙にやさしく諭すように言いました。
「わ、私でも勉強をすれば頭が良くなるでしょうか・・・・・・?」
呂蒙は少し期待を込めた目で私を見つめました。
「ああ、私が見込んだのだから間違いない」
私は呂蒙に笑顔で応えました。
「あ、あのあの・・・・・・。呂子明、劉正礼様に士官いたします。私の真名は亜莎といいます。」
私と亜莎のやり取りを眺めていた周泰が手を上げました。
「あ、あ、はいっ!私も劉正礼様に士官いたします。私の真名は明命といいます。」
「そうか明命、心強いぞ!私の真名は正宗。よろしく頼む」
「こ、こちらこそよろしくお願いいたします」
私が彼女の手を握ると明命は顔を赤らめて俯きました。
「もう我慢できない!私がこの者達と同列と言うのか!」
周瑜は拳を震わせながら激怒しました。
呂蒙、周泰は周瑜を怖がっています。
「周公瑾殿、落ち着かれよ。呂子明、周幼平は農民の身なれど才溢れる者達です。あなたは見かけのみで人を判断されるのですか?」
「ほう、劉司隷校尉はこの者達が才溢れる者と言われるのか?」
周瑜は呂蒙、周泰を一瞥しました。
「周公瑾殿、質問に質問で返さないでくれ。彼女達の才はおいおい分かる。それよりあなたの士官の条件の話だが後日にしましょう。あなたも他の3人も長旅で疲れていると思う。私が洛陽に宿を取るので、そちらで休むといい。あなたとは明日、2人だけで話す場を設ける。あなたも私と二人で話した方が気が楽ではないか?」
周瑜は私の申し出に頷きました。
私は水蓮に申し付けて、4人を宿に案内させました。
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