戦士達の旅立ち
[5/7]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
もそうだったからな」
「だからです。俺も行きます。そして世界を守りますよ。ライダーとして」
「ライダーとしてか」
立花はその言葉を受けてライダーという言葉を自分も口にした。
「ええ、ライダーとして」
村雨は答えた。
「これからも戦います。この世に生きる全ての人の為に」
「自分を捨てて」
役が問う。
「ええ、勿論です。それがライダーですから」
それにも答えた。その声には最早迷いはなかった。
「なら問題はありません。仮面ライダーゼクロス、いえ村雨良」
ここで彼は村雨を言い直した。
「これからの貴方の活躍を期待していますよ」
「有り難うございます」
「私は長野の戻りますがね。何かあったら遊びに来て下さい」
「はい」
「蕎麦と林檎ならふんだんにありますから」
「わかりました、楽しみにしています」
蕎麦と林檎を聞いた村雨の顔がほころんだ。そして笑顔で答えた。
「良君」
今度は伊藤が出て来た。
「立派になったな。本当に」
「いえ、それ程でも」
「あの時のことは覚えているな」
「勿論です」
彼等はバダンを二人で脱出した時のことを思い出していた。長いようで短い旅であった。
「全てはあの時からはじまりましたね」
「そうだ。何か遙か遠い昔のようだな」
「それでいてついこの間のことのようです。不思議ですね」
「ああ」
伊藤はそれに頷いた。
「本当にな。あの時はどうなるか本当にわからなかった」
「はい」
「だが必ず何とかなると思っていた。それは何故かわかるな」
「ええ、希望がありましたから」
「そうだ、希望だ」
伊藤はそれを聞いて満足したように頷いた。
「希望があった。私は常にそれと一緒にいた。だから君と一緒に行けたんだ」
「その希望とは」
「決まってるじゃないか」
伊藤はそう言ってにこりと笑った。
「君だよ」
そして村雨を指差してこう言った。
「俺が」
「そうだ、君自身がだ」
彼は村雨を見上げて微笑んでいた。
「君は希望だったんだ。バダンを倒しこの世に平和を取り戻す希望だ。そう、光だったんだ」
「光」
「そうだ。君はこの世を照らす光なんだ。仮面ライダーはね」
「大袈裟ですよ」
村雨は苦笑せずにいられなかった。
「俺一人じゃここまで出来ませんでしたから」
そしてこう語った。
「それは違うな」
しかし伊藤はその言葉を否定した。
「君達があればこそ、だ。だからこそバダンを滅ぼすことができたのだ」
「その通りだ」
立花もそれに同意した。
「御前達がいなければここまではとてもいけなかっただろう。世界はバダン、いやもうショッカーに征服されていただろうな」
「おやっさん」
立花ならではの言葉の重みがあった。多くの組織を向こうに回して戦って
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ