戦士達の旅立ち
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きます。今あそこも大変ですから」
彼は答えた。
「津波があったらしいな」
「ええ、それで。この腕が何かの役に立つでしょう」
彼はそう言いながら自らの腕を見た。
「人々の為に役立てるなら」
「そうだな。御前の腕は本来その為にあるからな」
谷はそれを見てこう言った。
「一也」
「はい」
「御前の本来の仕事をしてこい。そして多くの人を救ってくるんだ。いいな」
「わかりました」
彼はそれに答えた。
「それじゃあ俺も」
ここでチョロが出て来た。
「そうだな。一也だけじゃ何かと大変だろう。頼めるか」
「勿論ですよ、その為にここへ来たんですから」
彼はにこやかに笑ってそう答えた。
「俺一人じゃちっぽけなもんですけれどね」
「いや、それは違うよ」
だが沖はその言葉を否定した。
「確かに一人一人の力は小さい。けれどそれが集まって大きな力となるんだ」
「そうだ、一也の言う通りだ」
これには谷も賛同した。
「確かに俺達はちっぽけなものさ。けどな、それが集まって凄い力となるんだろうが」
「そういうものですか」
「そうだ。だからバダンも倒せたんじゃないのか。違うか」
「そう言われてみるとそうですね」
彼は戸惑った顔から明るい顔に変わっていった。
「じゃあ俺もその力の一部になってみせますよ。一也さん、それでいいですね」
「ああ、勿論」
「ではまた」
「おう、何時でも戻って来い」
沖も去った。こうして九人のライダー達は皆次の戦場へ向かって行った。
「行ったな、皆」
立花達は彼等が消えた道を見ながら感慨深げに呟いた。
「いえ、まだいますよ」
ここで声がした。
「おう、そうだったな。すまん」
彼等はそれを受けて声がした方を見た。そこに彼がいた。
「俺がいますから」
「御前はどうするんだ」
立花が問うた。
「そうですね」
村雨は考えながら言葉を出した。
「俺も先輩達と一緒ですよ。バダンは倒しました。しかし」
「しかし」
「まだ俺の仕事は終わってはいません。いえ、永遠に終わらないかも知れませんね」
そう話す彼の顔は澄んだいいものであった。
「この世界にはまだまだ俺達の力を必要としている人達がいます。それは今までの戦いと今の先輩達を見てよくわかりました」
「そうか、わかったか」
「はい。そしてあの首領も何時復活するかわかりません。いえ」
彼の目が鋭いものになった。
「何時の日か復活するでしょうね。そして俺達の前に姿を現わすでしょう」
「死んだわけじゃないのか」
「確かにあの時死にました。けれどあの首領はおそらく」
彼は言葉を続ける。
「この世に悪の心がある限り何度でも甦るのでしょう。そしてまたこの世界を掌中に収めんとする筈です」
「だろうな。今まで
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