バダン最後の日
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クロスはその反動で後ろに跳ぶ。そして着地した。
「やはりな。思った通りだ」
「どういうことだ!?」
他のライダー達は彼に問うた。
「はい、俺のこの赤い光のことは知っていますね」
「ああ」
彼等はゼクロスの説明を聞き頷いた。
「これは気なんです。俺の身体から発せられる気」
「気」
「そうです。これは実体じゃない。だから首領にダメージを与えることが出来たんです」
「そうだったのか」
ライダー達はそれを聞いて首領が苦しむのを理解した。
「そしてこれは俺だけじゃない。皆持っているんですよ」
「俺達も」
「そうです。それこそ」
ここで彼は仲間達の腰のベルトを指差した。
「そのベルトにある力です。その力を使えば首領を倒すことが出来ます」
「サザンクロスを破った時のようにか」
「はい。ですがそれは同時に行わなければなりません」
「同時に」
そう言いながら首領を見上げる。
「ええ。やりますか」
「無論」
彼等に反対する理由はなかった。
「方法があるのならそれに賭ける。例えその可能性が限り無くゼロに近くとも」
「それを必ず成功させる。それがライダーだ」
「はい」
ゼクロスは彼等の言葉に頷いた。
「ではやりましょう。そして今度こそあいつを」
「おう」
「わかった」
ライダー達はそれに頷いた。そして力を溜めはじめる。
その間に首領は態勢を整えていた。ライダー達を見下ろす。
「よくもやってくれたな」
その声は怒りに満ちたものとなっていた。
「最早容赦はせぬ。これで始末してやろう」
再び全身から闇を放つ。それはライダー達に襲い掛かる。
「来たな」
ライダー達はその闇を見ていた。しかし怯んではいなかった。
「行くぞ」
「ああ」
そして互いに顔を見合わせ頷き合う。その身体をそれぞれのベルトから発せられる光が包んでいた。今彼等はそれぞれの色の光に包まれていた。
「よし・・・・・・」
一斉に跳んだ。そのままキックの態勢に入る。
「ライダァーーーーーーーー・・・・・・」
闇が迫る。しかし彼等はその闇さえも切り裂いた。
「何ッ!」
それを見た首領は思わず叫んだ。その間にもライダー達は矢となって彼に向かって来ていた。
「キィーーーーーーーーーーッ!」
そしてその全身を蹴りが貫いた。額の第三の目にはゼクロスの蹴りがあった。
額が貫かれる。貫いたゼクロスはそのまま突き抜けて行く。
着地した。他のライダー達も同時に着地する。皆首領のその黒い身体を貫いていた。
「やったか!?」
彼等は振り向き首領を見やった。そこには漆黒の巨人がまだ立っていた。
「グオオオオ・・・・・・」
しかしその闇は次第に弱くなっていた。額は貫かれ第三の目は完全に潰れていた。
「み、
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