バダン最後の日
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博士はこうした時に備えた首領の分身であったのだ。そして首領は彼を、彼自身をコントロールしていたのだ。
「それはガランダーの時も同じだ」
「やっぱり。では十面鬼も御前が」
「その通り」
首領はアマゾンの問いを肯定してみせた。
「あの男は面白いように私の言葉に乗ってくれたな。だが所詮はあの程度であった」
「クッ、ではアマゾンの皆は御前のせいで」
「それがどうしたというのだ?」
首領にとっては他の者の命などどうでもよいのだ。だからこそこう言えた。
「世界制覇の邪魔になる、それだけだ」
「おのれ」
「それはブラックサタンでも同じだったな」
ここでストロンガーが問うた。
「ご名答」
「やはりな」
「あのサタン虫は私が作り出したもの。そしてあの首領もまた私の分身であったのだ」
「では何故デルザーを怖れた!?あれもまた貴様の組織ではないか」
「私の分身はあくまで分身だということだ」
彼はそう答えた。
「私の真意を知りはしない。分身が不要になっただけだ」
「ではデルザーがあの時の貴様の真の組織だったのか」
「そういうわけでもない」
しかし首領はそれを否定した。
「どういうことだ」
「ブラックサタンもデルザーも互いに私の細胞から生まれ出たもの。だがブラックサタンは私の脳ではない。あくまで分身だっただけだ」
「では岩石の首領の中にいた貴様は」
「そう、あれは私の脳の一部だ」
首領は声に笑みをたたえてそう言った。
「恐竜に複数の脳があったのは知っているな」
「無論」
「だからあの姿だったのか」
岩石の首領の中にいたのは巨大な一つ目の頭脳であったのだ。一度見たら忘れられぬ無気味な姿であった。
「あれは私の脳の一部。デルザーの様な組織を操るにはそれしかなかったのでな」
デルザーは強力な改造魔人によって構成されている。その個々の力は他の組織とは比較にならないものであったのだ。それを陰から操るにはそれなりのものが必要だったのである。
「だがそれが敗れた。私は今度は諸君等に正面から当たろうと考えた」
「それがネオショッカーか」
スカイライダーが声をあげた。
「そうだ。かってのショッカーの様にせんとな。それは成功した」
「何を言うか」
しかしライダー達はそれに反論した。
「威勢がいいな」
だが首領は動じてはいなかった。平然とそう返した。
「だからこそ私も真の姿で乗り込んだのだ」
「あの怪獣が貴様の正体だったというのだな」
「そう、あれが私の実体だった。本来は暗黒星雲にいたのだがな」
「暗黒星雲」
「私の故郷だ。今となっては懐かしい」
「それでは貴様はそこから地球への侵略を目論んでいたのか、ショッカーの頃から」
「そうだ。だがネオショッカーも潰えた。諸君等の手によってな」
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