バダン最後の日
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見事だライダー諸君。まさか実体を持たぬ私を倒すとは」
「言った筈だ、首領」
彼等は立ち上がり首領を見上げてこう言った。
「例えどの様な姿だろうと貴様を倒すと。俺達は貴様を倒しこの世に平和を取り戻す為に戦っているのだからな」
「フフフ、そうか」
首領はそれを聞き笑いながら言った。
「そうだったな。迂闊だったわ。実体を持たぬからといって油断していたわ」
彼は己に言い聞かすようにしてそう言葉を続ける。
「私の負けだ。私はまたしても諸君等に敗れたのだ」
「・・・・・・・・・」
ライダー達は何も語らない。首領の姿が次第に薄くなっているのを見守っているだけであった。
「だがな」
しかしここで首領の声の色が変わった。
「私は死なぬ。また諸君等の前に姿を現わすだろ。そして」
残された二つの眼がギラリ、と光った。
「今のこの姿が滅びようとも諸君等をこのまま生かして返すわけにはいかぬ。覚悟しろ!」
「ムッ!」
その瞬間首領の全身が闇となった。そして爆発を起こした。黒い闇の爆発であった。
「諸君等も道連れにしてやる。覚悟しろ!」
「クッ、逃げろ!」
「おう!」
その瞬間基地は爆発に包まれた。黒い闇に包まれてバダンは完全に崩壊した。
「おやっさん、あれは」
それを夫婦岩のところから見た滝はその黒い闇を指差して立花に言った。
「おう、わかっている」
立花はそれを見て答えた。
「やってくれたよ、あいつ等。遂にバダンを倒したんだ」
彼はそれを見て感慨深げにそう呟いた。
「遂にな。首領もとりあえずはこれで最後だ」
「ええ。しかし」
志度はそれを見ながら前に出て来た。
「彼等は無事でしょうか。あの爆発の中にいては」
「それは・・・・・・」
誰もがそれを受けて不安な顔になった。だがここで役が言った。
「大丈夫ですよ。心配いりません」
「何故ですか!?」
皆それを受けて役に顔を向けた。
「彼等はそう簡単には死んだりしませんよ。それは貴方達が最もよく御存知の筈です」
「しかし・・・・・・」
それはよくわかっているつもりであった。しかし今回ばかりは。彼等は不安を隠せなかった。
「嘘だと思われるなら」
「はい」
まるで彼に誘われるようにして声をあげる。
「あれを御覧下さい、ほら」
役は前を指差した。皆それにつられ前に顔を向ける。
「おお・・・・・・」
皆そこを見て声を漏らした。そこに彼等がいたのだ。
「彼等は決して死にはしませんよ」
役は微笑んでそう言った。
「この世に正義がある限り。そして」
ライダー達はそれぞれのマシンに乗っていた。横一列に並んでこちらにやって来る。
「私達がいる限りね。ですから私達は彼等を安心して迎えればいいんですよ」
「ああ、その通りだ
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