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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
決戦
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「ふん」
 彼はそれに答えなかった。そのかわりにモニターに目を移した。
「その通りだがな。俺の望みはあいつを倒すことだけだ」
 モニターにはライダー達が移っていた。しかしそこに村雨の姿はなかった。
「あいつがいないと出る意味がないからな」
「わかりました」
 ヤマアラシロイドがそれを聞いて満足したように笑った。
「では彼が出て来るその時までここの守りをお願いしますよ」
「わかった」
「あと暗闇大使はどうされていますか」
 彼はここで暗闇大使のことを問うてきた。
「手術は無事終わった後回復に努めておられるようですが」
「順調らしいぞ」
 三影はそう答えた。
「暫くしたら復帰できるらしい。何の心配もいらないそうだ」
「それは何より。ゼクロスの方はそうはいかなかったようですが」
 ややシニカルにそう言った。それは三影に向けられているのは言うまでもない。
 だが三影はそれを無視した。かわりに彼に対してこう言った。
「行った方がいいのではないか」
「戦場にですか」
「そうだ。そろそろ戦闘がはじまるぞ」
「ええ、わかっていますよ」
 別のモニターには戦闘員達が映っていた。彼等はライダー達に接近しようとしていた。
「それではそろそろ行きますか」
「そうした方がいいな」
 三影はヤマアラシロイドを一瞥もすることなくそう言った。感情のこもっていない声であった。
「ここは俺に任せろ。安心して行って来い」
「わかりましたよ」
 彼はすっと笑った。そして足を出口に向けた。
「ここは頼みましたよ、三影英介。いや」
 ここで言葉を変えた。
「タイガーロイド。虹のゼクロスと御呼びした方がいいですかね」
「勝手にしろ」
 だが彼はそれに答えようとしなかった。早く出て行けと言わんばかりの態度であった。
「わかりましたよ」
 ヤマアラシロイドはまた笑った。そして出口をくぐった。
「では邪魔者は退散するとしましょう。潔くね」
「フン」
 ヤマアラシロイドは最後に顔を三影に向けると姿を消した。彼はやはりそちらに顔を向けはしなかった。
「何がヤマアラシだ」
 彼はそのかわりに吐き捨てるようにしてそう呟いた。
「狐が。精々その戦いを見せてもらうぞ」
 そして後ろにある椅子に座った。そのまま指揮を執りはじめた。

 ライダー達は伊勢に入り暫くして早速歓待を受けていた。
「来たな」
 彼等は迫り来る戦闘員達を前にして不敵に笑った。
「おっと」
 だがその前に姿を現わす男がいた。
「ここは私に任せてもらいますか」
「竜さん」
「ええ」
 竜は彼等のほうを振り向いてにんまりと笑った。
「最近運動不足でしてね。ここはやらせてもらいますよ」
「しかし」
「大丈夫ですよ。戦闘員なんて相手じゃありませんか
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