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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
決戦
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本心から村雨を認めたのだから。
「ではわかってくれている筈です。今の俺の考えが」
「わかっていますよ」
 役は答えた。
「行きたいのでしょう、戦いに。ほかのライダーや立花さん達と共に」
「ええ」
「そしてバダンを倒したい。世界の平和を取り戻す為に」
「そうです、勿論です。怪我なんか関係ないですよ」
「それだけの怪我を負っていてもですか」
「ライダーはどれだけ傷ついても戦ってきた。そして勝ってきた。違いますか」
「その通りです」
「先輩達だってそうだった。そして俺も」
 村雨の顔はさらに苦渋に満ちたものになっていった。役はその顔を黙って見ていた。
「村雨さん」
 そして彼の名を呼んだ。
「はい」
 村雨はそれを受けて俯きかけていた顔を上げた。
「今のままではライダー達は敗れます。バダンの力はあまりに強大です」
「ではやはり」
「はい、貴方の力が必要です。しかし今の状態の貴方だと戦力にはなりません」
「ではどうすれば」
 彼は役の言葉に戸惑った。
「一つだけ方法があります。しかしそれは」
「それは・・・・・・!?」
 役の言葉が止まったのを受けて問うた。
「可能性は極めて薄いものです。そして失敗すれば貴方の命はありません」
 彼は村雨の心を試すようにして語り掛けてきた。
「それでもいいですか。命をかけても」
「はい」
 迷うことはなかった。村雨は即答した。
「言いましたよね、俺はライダーだと」
「はい」
「ライダーになったからには命をかけます。可能性が僅かでもあればそれにかけます。それがライダーなのですから」
「その言葉、偽りはありませんね」
「ライダーの言葉に嘘はありません」
 彼は強い声でそう返した。
「わかりました」
 役はその言葉を受け取った。そして頷いた。
「では行きますか」
「はい」
 二人は何処かへ向かった。そしてその場から立ち去ったのであった。

 ライダー達は伊勢に入った。それはバダンからも確認されていた。
「遂に来ましたね」
 ヤマアラシロイドは指令室のモニターからそれを見ていた。ライダー達は今伊勢に入ったところであった。
「で、どうするつもりだ」
 隣に立つ三影が彼に問うた。
「俺は貴様が指揮を執りたいというから任せたのだが」
「はい」
 ヤマアラシロイドは何かを楽しむような顔でそれに頷いた。
「思う存分やらせてもらいますよ。貴方にはこの基地の防衛に専念してもらいます」
「そうか。美味しい場所は独り占めというわけか」
「そうなりますね」
 彼はそれを否定しなかった。
「ですがそれは貴方も同じでしょう」
「どういう意味だ」
「ゼクロスとの勝負、それだけが貴方の望みなのですから。彼が出て来ないとなれば貴方もやる気は起こらないでしょう」
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