決戦
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「だからこそゼクロスに協力したのだな」
「ええ。そういうことです」
役はゼクロスに顔を向けた。
「そういうことだったのですよ。先程のお話は」
「そうだったのですか」
ゼクロスはここに来る前のことを思い出していた。その時役は彼にあるものを渡していたのだ。それは『王の石』と呼ばれる光輝く石であった。
その石をベルトに埋め込むと傷が忽ち回復した。そしてそこで役は彼に自分の正体を話したのだ。その石のことと共に。
「あの石は神の石なのです。私があの方々に授けられたものです」
「賢者の石だけではなく、か」
三影はそれを聞いてそう言った。
「貴様はもう一つ石を持っていたということだな」
「ええ、そういうことです」
役はその言葉に対してそう返した。
「全てはこの世を守る為にです」
「そして貴様はライダー達に協力したのか。かってあの男を排除した時のように」
「あのコルシカ生まれの小柄な皇帝ですね」
「あの男をあれ以上置いておいては危険だからか。そしてナチスもソ連も」
「そうですね。そういうこともありました」
「バダンもか。フン、そうして人間共を守ってどうするつもりだ。愚か者共をのさばらせておくつもりか」
「少なくとも貴方達よりは愚かではありませんよ。先程も申し上げたように」
「三影」
ここでゼクロスが口を開いた。
「何だ」
三影はそれを受けて彼に顔を向けた。
「貴様はもうわかっている筈だ、自分が敗れたことに」
「フン、貴様にか」
「いや、違う」
ゼクロスはそれに対して首を横に振った。
「信念においてだ。貴様は間違っていたのだ」
「間違っていた!?俺がか」
「そうだ。何故それを認めようとしない。それは貴様が弱いからではないのか」
「弱いだと。また戯れ言を」
「戯れ言ではないと言っているのだ」
しかしゼクロスの言葉はやはり辛辣なものであった。
「それは貴様自身が最もよくわかっている筈だが」
「フン」
やはり彼はそれを認めようとはしなかった。首を横に振りながら否定した。
「そうして俺を馬鹿にしたいようだな」
「違う、それもわからないのか」
「わかる!?何をだ」
それでも彼は変わらなかった。
「バダンの真理がわからぬ貴様等に何がわかるというのだ」
そして逆にそう問うてきた。ゼクロスはそれに対しても冷静に返した。
「あくまでバダンこそが正しいというのか」
「無論」
そう言い切った。
「それ以外にどう言えというのだ」
「そうか」
ゼクロスはそれを聞いてそれ以上言うのを止めた。
「ではそれに殉じるのだな」
「当然だ。だがな、ゼクロスよ」
「何だ」
「最後に勝つのはバダンだ。それだけは覚えておけ。貴様等は必ず敗れるということをな」
「・・・・・・・・・」
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