決戦
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えがないとは言わせぬぞ」
彼はそう挑発してきた。
「言っておくがこれは脅しではない」
「それはわかっている」
だが彼は身構えるだけでこれといった動きはしてこない。まうれ無防備である。
「待っているのか」
虹のゼクロスはそれを見てふと思った。だがそれは口には出さない。
「ゼクロス」
彼はこの時自分が焦りはじめていることに気付かなかった。
「来ないのならこちらから行くぞ」
「勝手にすればいい」
そしてその焦りはこの言葉で火が点いた。
「・・・・・・そうか」
彼は冷静に返したつもりであった。だがそれが為に自分が今焦っていることにまで気がつかなかった。
「では容赦する必要はないな」
これは自分に落ち着けと言い聞かせているようであった。
「死ね」
彼は動いた。そしてゼクロスを取り囲んだ。
その五体のゼクロスが彼自身を取り囲む。だがそれでも彼は動くことはなかった。
三影はさらに焦った。その無意識下の焦りを消す為には最早動くしかなかった。そして彼は動いた。
無言のまま五体の虹のゼクロスが同時に動く。一斉にゼクロスに向かって来た。
ゼクロスはこの時地面を見ていた。今大地には太陽がある。
光が大地を照らす。そしてそれと共に影も映し出す。そう、影であった。
彼は影を見ていたのだ。その五つの虹のゼクロスの影を見ていた。本来ならその影は五つの筈である。
だがそこにある影は一つであった。そう、一つしかなかったのだ。
その影を見た。それからすぐに跳んだ。
「そこだっ!」
天高く跳んだ。そして空中で激しく回転する。
「ムッ!」
五体に虹のゼクロスは思わず天を見上げた。そして空中でいるゼクロスを見やった。
ゼクロスは激しく前転しながら急降下して来る。回転しながらその目は影を見ていた。
「行くぞ・・・・・・」
ゼクロスはその影を持つ男に向かっていた。そしてその回転をさらに速めた。
「ゼクロス回転キィーーーーーーック!」
全身に赤い光を宿らせた。そして蹴りを放った。
その蹴りが影を持つ虹のゼクロスを撃った。足が胸にめり込む。
「グググ・・・・・・」
それが本体であった。影を持つ者が撃たれると他の虹のゼクロスは全て消え去った。
足はそのままめり込んでいく。だが虹のゼクロスはその足を掴んだ。
「舐めるな・・・・・・」
彼は言った。
「この三影英介を舐めるなよ!」
そしてこう叫んだ。渾身の力を込めてゼクロスの足を抜こうとする。
「何ッ!」
これにはゼクロスだけでなく他のライダー達も驚かずにいられなかった。虹のゼクロスはそのまま足を引き抜いた。
その足を掴んだまま振り回す。そして後ろに大きく投げた。
「ウオオオオオオオオオオオオーーーーーーーーーーーーーッ
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